サイトマップは
こちら
 
 

3倍体って、なあに?

普通の生き物は、父と母から一組ずつもらった、二組の染色体を
持っているんじゃ。ところが研究の結果、
受精卵をぬるま湯につけるとそこで変化がおき、もう一組、
つまり3組の染色体をもった魚が生まれることがわかった。
この3組の染色体をもった魚のことを3倍体の魚というんだよ。




ぬるま湯につけただけで
染色体数が変化しちゃうの?

人間は、水に入ろうが湯に入ろうが
体温はそれほど変化しない。
冷たい水の中で生きている魚にとっては、
ぬるい湯につかるということは、
たいへんな環境の変化なんだよ。

3倍体になると、
普通の魚とどこが違ってくるの?

3倍体になると、成長はするけれど、
成熟したオスやメスにならないんだ。
つまりメスの3倍体魚は、卵を産まない体になる。
普通メスの魚は、
成熟すると卵をつくる方に栄養をとられてしまい、
成長がとまり肉質も落ちる。
それに、産卵が終わると死んでしまう。
寿命が一年なんだ。
ところが3倍体のメスは
卵を産まないので成長し続け、
おいしい肉質のまま大きな魚になるんだよ。

人間が食べるためには、
いいってことだね。

岐阜県の飛騨大天女魚(ひだおおアマゴ)は、
アマゴの3倍体だ。もう売られているから、
食べたこともあるかもしれないね。
アマゴは普通80グラムくらいだけど、
この3倍体は1〜2キロにもなる。
他にも、ヤマメ、ニジマス、コイ、金魚、
マダイの3倍体も作られているよ。
ヒラメはメスのほうが体が大きくなるので、
メスだけをつくる研究もされていたんだ。
もう方法が確立されて、実用されているんだよ。

手前が通常の2倍体アマゴ(1年魚)、奥が3倍体のアマゴ(3年魚) 写真提供:岐阜県淡水魚研究所