日本の漁業が、大きな問題にぶつかっていることはわかったね。 それでは、海を魚を守って、日本の漁業を守っていくために何をしているのか、 ここで紹介しよう。
魚をとり続けながら増やすことなんて、できるのかなあ。
魚の成長や産卵について知り、魚の生活に適した海の環境、 自然の仕組みを理解して、それに合わせて上手に必要なだけとる方法を考える。 そのルールをみんなで守るんだ。実施されているものを紹介しよう。
産卵をする時期の魚はとらないようにする。
産卵をする時期の魚はとらないようにする。 魚の産卵場所や、幼魚が育つ場所ではとらない。
網の目を大きくしたり、ねらった魚以外の生きものが 逃げられるような網を使う
日本の海にいる魚の量を予測して、 とっても大丈夫な量だけをとるようにする。
他の生物に食べられやすい小さな時期を人間の手で育て、 ある程度の大きさになったものを海に放す。
でも、魚が卵を産む場所を調べたり、海の中の魚の量を予想するなんて、 むずかしそうだなあ。
そのために、われわれが一生懸命研究しているんじゃよ。 日本では今、サンマ、スケトウダラ、マアジ、マイワシ、 マサバとゴマサバ、スルメイカ、ズワイガニの7種類の魚介は、 決められた量をこえてとらないようにすることに決まっている。 魚の量は、海で実際に魚をとってみて、その量や魚の大きさなどを調査研究して、 海の状況や今後の変化などを分析して決めることになっているんだ。
埋め立てられて減ってしまった干潟や浅瀬、 藻がなくなって岩がむきだしになっている磯焼け、 生活排水による汚染。海を弱らせる原因はたくさんある。 でも、弱ってしまった海を少しずつ復活させるための方法が研究され、 いろいろな活動が始まっているんだ。
魚がすみつきやすい形の ブロックなどを海に沈めて、 魚の家をつくるんだ。
海中に沈めたブロックに 産卵されたイカの卵
ブロックをすみかとするイサキのむれ 写真提供:神奈川水産研究所提供
藻は海の森。その中で産卵し、 稚魚が育つんだ。 海藻を食べる貝も集まるようになる。 藻がはえやすいしくみを考えて海の中に つくり、藻をはやすようにする。
磯焼けの状態 写真提供: IPA「教育用画像素材集サイト」 神奈川水産研究所
人工リーフにはえたカジメ 写真提供:神奈川水産研究所提供
木がたくさんはえている 豊かな山のそばの海では、 魚がよくとれる。 きれいな海のためには、 まず水を生み出す山を大切にする。 全国で漁師たちの植樹が 行われているよ。
山に木を植える漁師たち 写真提供:IPA「教育用画像素材集サイト」 (http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/)
魚のすみかはどんなものが良いか、どうすれば海藻を増やせるか、 研究が進められているんだ。 そして、底引き網の漁師さんたちは、 網で海中のゴミをとって海の掃除につとめている。 海岸をきれいにしたり、合成洗剤を使わないように呼びかけたり、 海をきれいにする活動も行われているよ。 ぼくたちも、できることから始めなくちゃね。