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地球の3分の2は、海でおおわれている。
海を知り、海を守ることは地球を守ることそのものじゃ。
いのちのゆりかご・海を守り、生物を守り育てる研究を紹介しよう。
(写真提供:海辺つくり研究会)

浜から海をつなぐのが、干潟や浅瀬だ。
かつてはそこにたくさんの海藻や海草が生えて、
たくさんの生き物たちの住みかになっていた。
でも、埋め立てが進んだ結果、浅い海に広がる藻場は姿を消してしまった。
今、いろいろなところで藻場を再生させる研究が進んでいるんだ。

藻場はどうして魚たちのゆりかごなの?

魚が産卵するときに、なにか卵をくっつけるものが必要なときがある。
かえった幼魚たちにも、波が荒く流れの速いところよりも、
隠れる場所のある、おだやかな流れのところが必要なんじゃ。
藻場は、それにぴったりの環境なんだよ。

魚だけじゃないよ。
タツノオトシゴは一生を藻場のなかで過ごすし、アサリなどの貝も、
小さな子ども時代は海草のねっこにつかまって育つんだ。
海藻の上にくっついて暮らすイソギンチャクや貝もいるよ。

藻場は生き物たちのために、とても役にたっているんだね。

海藻のほうでも、生き物たちのお世話になっているんだよ。
アマモという海草を例に取ってみよう。
海底にたまった魚や貝の出すふんなどが分解してできた栄養塩を
根から吸収して大きくなるんだ。
アマモが増えると生き物が増え、生き物が増えるとアマモもよく育つ。

栄養塩というのは、人間の生活からも大量に出されるので、
これが多すぎると水を汚す大きな原因になる。
この栄養塩の流れをみてごらん。栄養塩は最終的にアマモが吸収しているね。
一方で、アマモは光合成をして酸素を出している。
汚れのもとを吸収し、酸素を出す。
海藻が水をきれいにするのに大切だということがわかるね。

藻場に来た魚たち

ヨウジウオ

クサフグ

イカのたまご

ホソメワケベラ

大切なのはわかったけど、どうやれば増やせるの?
種をまくって言っても、海の中だし…。
そもそも海藻ってどうやって増えるんだっけ?

「かいそう」には「海草」と「海藻」の2種類がある。
海草のほうは、海で育つ植物だから、根があって葉があって花も咲く。
地上の植物と同じ増え方をする。
海藻のほうは藻類で、地上の植物とは違う増え方をするんだ。

シートの中に種を仕込んで、海底に置く。
このシートやのりは、海を汚さない材質で作ってある。

シートに特別なのりをしく

種をのりの中にまく

上からシートをかぶせて、とめる

苗を育てて、流されないような工夫をして、海底に植える。

根のまわりに粘土をつけて粘土ごと埋め込む

根元に割り箸をつけて、割り箸を深く海底に埋め込む

太陽の光が十分に届いて、波が荒くないところがアマモの育つ場所。
水質、水深、海底の地形、海底の砂の質、波の高さ、水温の変化などを
専門家と一緒に調べて、最適な場所を決める。

順調にいけば、およそ1年で立派なアマモに育つ。

芽が出て、少し伸びてきた

まだまだかよわい感じ

           

だんだん育ってきた

これだけしげれば、もう大丈夫