Fisheries Science 掲載報文要旨

東部太平洋におけるサメ類の混獲状況の経年的評価

Erklin Quintero,Antonio J. Carpio,Francisco S. Tortosa,Jose Oteros
 過剰漁獲と混獲は海洋生物群集に対する二大脅威である。本研究では,東部太平洋海域におけるエクアドルのマグロ・カジキはえ縄漁業によって混獲される6種のサメ類(ヨシキリザメ,ニタリ,ハチワレ,シロシュモクザメ,クロトガリザメ,アオザメ)について,2008年から2018年の漁獲個体数とサイズ分布を評価した。漁獲されたサメ種のサイズは年々低下傾向にあり,脆弱種であるシロシュモクザメでは特に顕著な低下が認められた。漁業活動の中心が中東部熱帯太平洋海域へ移行していることも観察された。これら6種のサメ類の状況は,ガラパゴス保護区を含む当該海域での今後の管理対策の策定に十分に考慮されるべきである。
(文責 山川 卓)

92(1), 1−15 (2026)
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タイ・プーケット県アオポー沿岸のタイワンガザミ刺網漁業の操業実態と漁獲物の生物学的特性

Thanakorn Sangeamwong,江幡恵吾,Dudsadee Leenawarat,Phatcharapol Boonserm,
Allena Esther D. Arteta,Aldrin Mel B. Macale,Nat Sermkijseree,
安樂和彦,Miguel Vazquez Archdale
 タイ・プーケット県アオポー沿岸では,タイ国小規模漁業において重要な資源であるタイワンガザミ(Portunus pelagicus)を主対象とした刺網漁業が盛んに行われている。2024年漁期(6−9月)に実施した調査により,出漁回数および水揚げ量は7月と8月に多かったが,努力量当たり漁獲量(CPUE)は6月から9月に段階的に低下した。漁獲されたタイワンガザミの性比はメス:オス=0.58:1.00であり,調査期間を通じてオスが優占した。本研究の成果は,地域の漁業コミュニティと政府の間で行われる共同管理を進める際の基礎資料となり,持続可能な漁業の実現に寄与すると考えられた。

92(1), 17−31 (2026)
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LED波長の変化がワタリガニ科かご漁業の漁獲率と漁獲効率に及ぼす影響

李 維祐,許 回,Muhamad Naimullah,Mhd Ikhwanuddin,Khor Waiho,Hanafiah Fazhan,Sukree Hajisamae,
藤森康澄
 ワタリガニ科(以下,ワタリガニ)は経済的に重要な甲殻類の一つであり,マレーシア,タイ,台湾で主に利用される。本研究では,これらの海域での実験を通じ,LEDライトの光色がワタリガニの漁獲率と甲幅に及ぼす影響を評価した。その結果,CPUE に対する LED ライトの正の効果は,青色,緑色,赤色の順で示された。光色間で漁獲率や甲幅に有意差はなかったが,採集場所間では甲幅に差が認められた。今後の研究では光強度や光色と餌との関係,環境要因がワタリガニかご漁に及ぼす影響の調査が求められる。

92(1), 33−45 (2026)
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携帯型Radio Frequency Identificationシステムによる,放流したニホンウナギ(Anguilla japonica)の高解像度な移動の追跡

竹内宏太,前田達彦,萩原聖士,板倉 光,木村伸吾,脇谷量子郎
 ニホンウナギの放流は漁獲量の増大を目的として各地で実施されており,既往研究では放流地点から下流へ移動する放流個体の優占が報告されている。本研究では,静岡県伊豆半島に位置する小河川にて,下流移動を中心に放流直後の行動を追跡した。その結果,放流地点直上に堰や滝があると下流移動する可能性が高くなった。さらに,相対肥満度が低い個体ほど放流地点から下流に分布しやすく,一度も探知されない個体も相対肥満度が低かった。これらのことから,河川の物理的要因と放流個体の栄養状態を考慮した放流戦略の重要性が示唆された。

92(1), 47−57 (2026)
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堰によって遡上が制限された小河川におけるニホンウナギの生物学的特性の時空間変動

福田野歩人,横内一樹,マイケル・ミラー,塚本勝巳
 ウナギ属の遡上・定着初期は,外洋生活から河川での底生生活への重要な移行期である。本研究では,浜名湖および河口から約1 kmに堰堤がある流入河川で3年間調査を行った。淡水域の当歳魚は,同時期の汽水域よりも色素発達段階が進み,肥満度が高く,摂餌開始も早かった。CPUEは春先に高かったが,その後急減した。堰堤近くの地点で大型個体が優占し,当歳魚は確認されなかった。早期に淡水域へ到達した個体は良好な成長を示した一方,堰堤により制限された淡水域では先占する大型個体が当歳魚の生息を阻害する可能性が示唆された。

92(1), 59−72 (2026)
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津屋崎干潟産アサリに寄生する原生生物の多様性

瀧下清貴,國﨑紗弥,百武穂乃香,大坪繭子,劉 宇,伊藤直樹
 福岡県津屋崎干潟に生息するアサリを対象に,原生生物に由来するSSU rRNA遺伝子をPCR検出し多様性を解析した。その結果,4種の繊毛虫類に加え,イクチオスポレア類のSphaeroforma tapetis,略胞子虫類のUrosporidium tapetisが検出された。一方,アサリの主要寄生生物Perkinsus olseniはPCRでは検出されなかったが,RFTM法ではPerkinsus様細胞が確認された。これらの中には,以前に和白干潟産アサリから検出された原生生物も含まれており,津屋崎干潟産アサリに多様な原生生物が寄生している可能性が示唆された。

92(1), 73−85 (2026)
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フグ卵巣糠漬けの減毒

長島裕二,岡山桜子,桐明 絢,永井 慎,石崎松一郎
 フグ卵巣糠漬けの減毒は,主に塩漬けおよび糠漬け工程における毒の移行によるとされる。本研究では,これに加えて微生物やテトロドトキシン(TTX)の成分変換が関与している可能性を検討した。糠漬け液にTTXを添加し,嫌気的条件下,室温で24週間保存してTTX含量および成分の変化を定期的に分析した。対照として滅菌処理した試料も用いたが,いずれにおいてもTTXの含量や成分組成に変化は認められなかった。このことから,フグ卵巣糠漬けの減毒には微生物や低毒性のデオキシTTX体への変換は関与していないと考えられた。

92(1), 87−99 (2026)
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エゾアワビHaliotis discus hannaiにおける殻色の周期性を用いた年齢および季節的食性変化の指標化

高見秀輝,渡邉成美,渡邉隼人,堀井豊充,小林俊将,西洞孝広,平川直人
 エゾアワビ貝殻表面に現れる周期的色帯が年齢推定に適用可能か検証した。岩手県吉浜湾産8個体の成長線に沿って抽出した殻の色相(Hue)および同成長線上のδ18Oから推定した水温を現場水温の時系列に整合させた。褐色から緑色への移行点(TP)は主に5−6月に出現し,年周期性を示した。ただし高齢個体の多重帯や稚貝期の色帯欠損により乖離も生じた。色相と色帯の変化は水温の増減傾向と関連し,マコンブなどの大型褐藻類の消長を反映すると考えられた。TP法は,低コスト・非破壊で,年齢と季節的食性の推定に有用である。

92(1), 101−116 (2026)
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2011年の津波とその後の復旧工事に伴う環境変化が両側回遊性ハゼ類3種仔稚魚の出現動態に与えた影響

藤原弘貴,片寄 剛,朝日田卓
 岩手県南部の砂浜域砕波帯仔稚魚相の優占種である両側回遊性ウキゴリ属3種の出現動態を調査した結果,3種仔稚魚の出現個体数は産卵期の河川水温,東日本大震災とその後の復興工事に伴う成魚の生息場所や産卵床の減少などの複合的な要因による影響を受けて変化したことが明らかとなった。また,下流域では河床の環境変化が大きく,下流域に多く分布するウキゴリでは個体数の回復が見られなかったことから,非常に近縁な種間であっても河川における分布域など生態的特性の違いによって震災とその後の環境変化の影響が異なると考えられた。

92(1), 117−132 (2026)
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段階的な飼育密度下におけるニジマスの成長と脳を対象としたトランスクリプトーム解析

藤城耕陽,西川颯太郎,宮西 弘
 高密度飼育は,水質等が適切な環境でも多くの魚種で成長を阻害し,養殖生産性を下げる。高密度飼育下の成長阻害メカニズムは,未だ理解に乏しい。本研究はニジマスを対象に,高密度下における成長,中枢である脳の遺伝子発現および脳内反応の変化を解析した。ニジマス稚魚を5密度区(22−180匹/水槽)で60日間飼育した結果,差がない環境要因下にも関わらず高密度区は成長阻害が確認された。脳を対象とした低密度区対高密度区のトランスクリプトームおよびGSEA解析の結果,5経路が変化し,高密度区でステロイド生合成およびミエリン髄形成の抑制を示唆した。

92(1), 133−143 (2026)
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ライフサイクルアセスメントを用いたマスノスケOncorhynchus tshawytscha養殖のカーボンオフセット化に関する研究

吉岡英里,増村友博,石原 学,安部智貴,高橋勇樹
 ライフサイクルアセスメントを用いてマスノスケ養殖の環境影響を評価した。併せて,コンブ養殖によるCO2吸収と組み合わせることで,カーボンオフセットの可能性について考察した。マスノスケ養殖による温室効果ガス排出量は34,301 kgCO2eq/t,CO2排出量は32,966 kgCO2/tとなり,カーボンオフセットに必要なコンブ場面積は10,669 m2/tとなった。電力由来の寄与度が大きく,感度分析から自然エネルギー等に置換することで排出量を抑制できる可能性を示した。今後は,本結果をもとに実現可能なシナリオを検討することで,カーボンオフセットの実現に貢献できると考える。

92(1), 145−156 (2026)
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多摩川河川水における細菌群集の季節変動:環境要因と人間活動の影響

水澤奈々美,Md. Shaheed Reza,及川千晴, 久我聡美,柳沢早紀,大内大輔,小檜山篤志,山田雄一郎,池田有里,
神保 充,安元 剛,渡部終五
 日本の代表的都市河川である多摩川の中流域において,2015年9月から2018年12月まで毎月採水し,ショットガンメタゲノム解析により自由生活細菌群集の時系列パターンを調査した。α多様性は季節的な変動を示し,FlavobacteirumおよびMycobacteriumのほか,腸内細菌由来と思われるBacteroidesが優占種であった。非計量多次元尺度法により,細菌群集は水温および塩分と有意に相関し,fastLSAによる時系列解析により,検出された細菌は,水温または細菌間の相関に基づき明確な5群に分類された。水温と人為的要因が都市河川の細菌群集の季節変動を規定する主な要因であることが示唆された。

92(1), 157−164 (2026)
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汽水湖(久美浜湾)で寒冷期の植物プランクトンブルームを引き起こす貧酸素水塊からの栄養塩供給

舩越裕紀,小林志保,藤原建紀
 汽水湖である京都府の久美浜湾で,寒冷期(10−5月)における毎月の縦断鉛直観測と,公共用水域水質測定の長期データの解析を実施した。その結果,秋以降,エスチュアリー循環が深くなることに伴って貧酸素水塊中に蓄積された栄養塩が順次上層へと移流・拡散し,1月には,貧酸素水塊の解消と同時に,湾全体へと栄養塩が拡散した。この栄養塩は二枚貝の成育に重要な寒冷期の植物プランクトンのブルームを引き起こした。長期データからは,この貧酸素水塊からの栄養塩供給が経年的に減少していることが明らかになった。

92(1), 165−178 (2026)
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緑豊かな海:インドの海洋漁業における炭素排出削減と燃料効率のトレードオフ

Aparna Anil,Neha W. Qureshi,Talib Mohammad,P. S. Ananthan,Nikita Gopal
 気候変動対策の一環として,インドにおける主要4州の海洋漁業からの炭素排出量を定量化した。海洋漁業のカーボンフットプリントは2016−2017年に431万トンCO2に達し,2010−2011年の排出量から22%増加した。炭素排出量は水揚げ魚1 kg当たり平均1.21 kg CO2であり,絶対排出量ではGujarat州が最多(190万トン)で,Tamil Nadu州(102万トン)が続き,Maharashtra州とKerala州はほぼ同水準(64万トン,62万トン)であった。燃料削減策として,経済的・環境的トレードオフを保証する3つのシナリオ(技術革新,代替燃料,政策介入)をシミュレートした結果,技術革新と代替燃料が実行可能な選択肢となりうることが判明した。
(文責 山川 卓)

92(1), 179−195 (2026)
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コイ筋原線維結合型セリンプロテアーゼ遺伝子とトリプシン遺伝子との進化的関係

大久保誠,谷口成紀,前田俊道,安本信哉,近藤昌和
 コイの18番染色体上に筋原線維結合型セリンプロテアーゼ(MBSP)をコードする2つの遺伝子が存在した。キンギョ及びゼブラフィッシュの18番染色体上にも,MBSP遺伝子が存在したが,その他の骨鰾上目魚類のゲノムには存在しなかった。骨鰾上目魚類のトリプシン遺伝子周辺には,複数のトリプシン様遺伝子が存在し,その一部はMBSPに特徴的な部分配列を持ち,分子系統樹ではMBSPと同じクラスターに含まれた。以上の結果から,コイMBSP遺伝子は,コイ目魚類の祖先において,トリプシン遺伝子との共通祖先遺伝子から分岐した可能性が示唆された。

92(1), 197−209 (2026)
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市販のイカ塩辛製品の官能評価,アミノ酸・有機酸組成および細菌叢解析

水澤奈々美,西村勘太,大内大輔,安元 剛,神保 充,植木暢彦,松岡洋子,万 建栄, 横山雄彦,渡部終五
 市販のイカ塩辛製品を対象に,NaCl濃度,遊離アミノ酸・有機酸含量,細菌叢を調査した。NaCl濃度は3.20−8.83%の範囲で,NaCl濃度が高い製品で,遊離アミノ酸含量が多い傾向がみられた。一方で,有機酸総量とNaCl濃度との間には明確な相関は認められなかった。官能評価では,塩味はNaCl濃度,甘味は,みりんや糖の添加に関係する傾向がみられた。アミノ酸調味料が添加された製品では,グルタミン酸の含量が高かったが,うま味との相関はみられなかった。細菌叢は製品ごとに大きく異なっていた。

92(1), 211−222 (2026)
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エチルラウロイルアルギネートコーティングがレインボートラウトのフィレの品質に及ぼす影響

Merve Kocak,Ayhan Duran
 レインボートラウトは腐敗しやすく,保存期間延長が求められている。本研究では,エチルラウロイルアルギネート(LAE)コーティングの効果を1%,2.5%,5%濃度で検証し,4°Cで7日間保存した。結果,LAEは濃度依存的に抗菌作用を示し,特に5%は強い殺菌効果を発揮して主要腐敗菌を大幅に減少させた。また,TVB-NやTBA-RSの上昇を抑え,色の官能評価も良好に維持された。以上より,5%LAEコーティングはレインボートラウトの品質と安全性を大きく向上させる有望な天然保存技術であると示された。
(文責 大迫一史)

92(1), 223−235 (2026)
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福島第一原子力発電所からのALPS処理水放出のヒラメの価格への影響

石橋敬介,佐々木舞香
 2023年8月,福島第一原子力発電所から多核種除去設備(ALPS)による処理水が海洋放出された。放出に対して,水産物の販売や価格に関する懸念の声が上がっていた。既存の研究では,ALPS処理水の放出が福島県産水産物の価格に与えた影響について十分に分析されていない。そこで本研究では,福島の沿岸漁業の主要魚種であるヒラメを対象に価格を分析した。東京都中央卸売市場のデータを用いて,放出前のデータに基づく予測価格と実際の価格との差を評価した。その結果,ALPS処理水の放出がヒラメの価格下落を引き起こしたという明確な証拠は示されなかった。

92(1), 237−243 (2026)
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生産者の写真がMSC認証水産物の価値に与える影響

魚谷和史,八木信行,阪井裕太郎
 MSC認証は欧州で認知されているが,日本では認知度が低く,価格プレミアムの根拠も乏しい。本研究では,持続可能な漁業を行う漁業者の写真がMSC認証水産物の価値を高めるかを検証した。2023年9月に実施した試食付き支払意思額 (WTP) 実験で,MSCラベルと写真を組み合わせた5条件を設定し,WTPと官能評価を分析した。結果,日本人では写真がWTPを高めたが,MSCラベルとの相乗効果はなかった。また,官能評価にはMSCラベルのみが影響し,写真の効果は見られなかった。水産物の種類や出身国による反応の差も大きく,一般化には更なる検討が必要である。

92(1), 245−255 (2026)
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韓国沖合漁業におけるエコ効率性とその決定要因

Yonghan Jeon,Hoonseok Cho,Choel-hyun Kim,Seong-hyun Sim,Eunji Kim
 漁業部門の炭素排出削減に向けて,2012年から2020年の韓国沖合漁業におけるエコ効率性(EE)とその決定要因を調査した。分析の結果,沖合漁業のEEは年々悪化していることが明らかになった。2隻以上の船団漁業や曳網漁業でEEが低下していること,船齢が高くなるにつれてEEが低下すること,船長の年齢が上がるとEEは向上するが,58歳を超えると低下し始めることが判明した。政府はカーボンニュートラル直接支払い制度を通じた低炭素漁具の交換支援,船団規模の縮小,船舶近代化事業に参加する漁師への財政支援などの政策を実施すべきである。
(文責 山川 卓)

92(1), 257−270 (2026)
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