Fisheries Science 掲載報文要旨

音響調査における魚群特性値による魚種グループの判別

Aymen Charef(東大院農),
大下誠二(水研セ西海水研),
青木一郎(東大院農),
Natheer Al Absi(東大海洋研)

 東シナ海において 2002~2006 年の夏季に音響調査を行い,魚群特性値による魚種グループの判別を試みた。エコグラム上の魚群をその特徴から 3 つのグループに分け,各魚群の遊泳深度,規模,体積後方散乱強度の特性値を計測した。この特性値を説明変数,魚種グループを出力変数として判別分析およびニューラルネット判別を行った結果,それぞれ 85.1%, 87.6% の判別率を得た。中層トロールの漁獲では各グループを構成する魚種としてそれぞれ,イワシ類,アジ・サバ類,中深層性魚類が優占した。

76(1), 1-11 (2010)
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ABR を利用したマダイの音圧感受性測定に及ぼす水粒子変位の影響

小島隆人(日大生物資源),須賀友大(北大院水),
草野秋津,清水沙枝子,松本春菜,青木真一,
高井則之,谷内 透(日大生物資源)

 水粒子変位が十分に到達しない遠方に音源を設置し,心電図を利用した条件付け技法でマダイの聴覚閾値を測定したところ,100 Hz および 200 Hz で近距離音場のそれより閾値が高くなった。ABR 技法を用いた測定でも 200-500 Hz で遠方音源の方が高くなった。さらに,ダイポール振動に対する感受性を同技法で測定したところ,正常魚と側線機能を阻害された魚とで粒子速度閾値に有意な差が見られず,その音圧換算値はスピーカからの放音時の閾値と近接した。ABR による閾値測定には,内耳による直接的な粒子変位感受性が影響を及ぼしていることが示唆された。

76(1), 13-20 (2010)
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北西太平洋の公海と沿海漁場におけるサンマの資源豊度とサイズ組成の月・海域間の変動

Wen-Bin Huang(国立東華大,台湾)

 北西太平洋での 2000~2005 年の台湾漁船データにより,サンマの月別・海域別の資源豊度とサイズ組成を公海と沿海漁場で比較した。漁期当初は大サイズが主体で,9 月から漁期末は中サイズが主体となった。公海では大,中サイズの CPUE と全 CPUE はいずれも沿海より有意に低かった。大,中サイズの占める各平均割合は,公海では沿海の 86.6%, 107.0% であった。全 CPUE,中サイズ CPUE は水温と負の相関があった。水温を同じとすると,全 CPUE と中サイズ CPUE は沿岸,南方,浅海方向へ,大サイズ CPUE は沿岸方向へ向けて高くなった。
(文責 山川 卓)

76(1), 21-31 (2010)
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北東部オーストラリアにおける有用魚種のコビア Rachycentron canadum の成熟と産卵

Tonya D. van der Velde, Shane P. Griffiths,
Gary C. Fry (CSIRO, Australia)

 本研究では,北東部オーストラリアにおけるコビア Rachycentron canadum の成熟と産卵について調査を行った。尾叉長,体重ともにオスとメスで違いは無かったが,雌雄比は2.18:1 であった。メスの 50% 成熟サイズ(L50)は尾叉長 784 mm(1~2 才)で,産卵期は 9 月~6 月であると推定された。バッチ産卵数は 11 万~48 万粒で,体重当たりの産卵数は 249 粒/g であった。排卵痕の有無により求めた産卵間隔は 7.6 日であった。夜間で捕獲された個体には吸水卵を持つメスが多いことから,本種は夜に産卵すると推察された。また,産卵期間中も摂食することが確認された。
(文責 Carlos A Strüssmann)

76(1), 33-43 (2010)
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サンマ飼育下の成長と成熟

中屋光裕,森岡泰三,福永恭平,村上直人,
市川 卓(水研セ北水研),関谷幸生(水研セ本部),
巣山 哲(水研セ東北水研)

 サンマを水温 20℃ のほぼ飽食条件下でふ化仔魚(=0 日齢)から飼育し,成長と成熟に関する情報を得た。肉体長(Knob Length, KnL,単位 mm)と日齢(t)との関係は次式に近似された。KnLt=277.1×exp [-exp {-0.015(t-83.8)}]。産卵は 243 日齢(約 250 mm KnL)に始まり,260 日齢になると急激に増加した。生殖腺重量指数を目的変数,体サイズ,肥満度および日齢を説明変数として重回帰分析を行った結果,日齢のみ説明変数として採択された。本種の成熟には体サイズや肥満度よりも日齢の影響が強いと考えられる。

76(1), 45-53 (2010)
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エチゼンクラゲの卵細胞サイズと生殖腺成熟度の季節変化

豊川雅哉,清水昭男(水研セ中央水研),
杉本剛士(福井県庁),西内 耕(水研セ西海水研),
安田 徹(安田徹事務所)

 若狭湾で出現した小型エチゼンクラゲが日本沿岸で発生したのか確かめるために生殖腺の成熟度を調べた。日本沿岸からの試料は全て性別判定可能だったが,7 月の東シナ海から性別判定不能な試料が見つかった。卵径は日を追って増加したが傘径と相関はなかった。生殖腺切片から卵径は雌の成熟度の指標となることが示された。11 月末以降全ての精巣小葉中に精子が見られた。傘径と成熟度に相関が無い上,性別判定可能であることから,若狭湾で出現した小型エチゼンクラゲは近くのポリプコロニーから最近発生したものでは無いと考えられた。

76(1), 55-62 (2010)
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紀伊水道におけるカタクチイワシ仔魚の食性

安江尚孝,土居内 龍(和歌山農水総技セ),
吉本 洋(和歌山県水産局),
竹内照文(和歌山農水総技セ)

 2007 年 4 月から 2008 年 3 月にカタクチイワシ仔魚(体長 17.0-24.9 mm)を採集し,消化管内容物を分析するとともに,環境中の動物プランクトンも併せて分析した。仔魚の餌は主に体幅 0.10 mm から 0.40 mm のカイアシ類であった。消化管におけるカイアシ類の種組成および各餌種に対する選択性は月によって異なった。一方で,仔魚は環境中から相対的に大きな餌を選んで周年捕食した。また,本研究では食性とシラス漁獲量の季節変化の関係についても議論した。

76(1), 63-73 (2010)
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ミトコンドリア DNA の塩基配列分析から推察されたアカアマダイの遺伝的変異性と集団構造

野原健司(福井県大海洋生資),
竹内宏行(水研セ宮津セ),津崎龍雄(水研セ玉野セ),
鈴木伸明(水研セ西海水研),
富永 修,青海忠久(福井県大海洋生資)

 アカアマダイの遺伝的多様性,集団構造,過去の集団動態を明らかにするためにミトコンドリア(mt)DNA の調節領域の塩基配列分析を行った。8 海域から 280 個体をサンプリングし 388 bp の配列を決定した。その結果,ハプロタイプ多様度と塩基多様度は比較的高いという傾向が認められた。ミスマッチ分析から急速な集団拡大が支持され,ネットワーク分析においても星状樹を示した。標本採集地域間で有意な遺伝的分化は認められず,東シナ海から本州にかけて 1 つの大きな任意交配集団を形成しているものと考えられた。

76(1), 75-81 (2010)
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一貴山川感潮域潮下帯におけるハゼ科魚類の産卵環境選択

乾 隆帝,鬼倉徳雄,川岸基能,中谷祐也,
富山雄太,及川 信(九大院水実)

 九州北部の日本海に流入する小河川である一貴山川河口においてハゼ科魚類の産卵巣密度と環境要因の関連性を調べたところ,ほとんどの種において,その種が主に産卵に利用する基質の密度が高いほど,産卵巣の密度が高くなることが明らかになった。しかしながら,基質の密度は,河口からの距離や塩分などの物理的な環境の影響を受けることが示唆されたため,ハゼ科魚類の産卵場の選択性は,直接的には産卵基質の密度に左右されるものの,産卵基質を通して,物理的な環境の影響も間接的に受けると考えられた。

76(1), 83-91 (2010)
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酸性化海水が造礁サンゴ類(ミドリイシ属)の初期生活史に及ぼす影響

諏訪僚太,中村雅子,守田昌哉(琉球大熱研セ),
島田和明(東大海洋研),
井口 亮,酒井和彦(琉球大熱研セ),
鈴木 淳(産総研地質情報)

 人間社会から排出された二酸化炭素(CO2)が海水に溶け込むことで海洋酸性化を引き起し,海洋生態系にとって脅威となる可能性が認識されつつある。本研究では,CO2 濃度を制御した水槽実験系を用い,ミドリイシ属サンゴの初期生活史の高濃度 CO2 への耐性を調べた。その結果,幼生の生存期間への影響は見られなかったが,変態した一次ポリプの成長率と共生藻の取り込み率は酸性化海水中で有意な低下がみられた。これらは将来,海洋酸性化がサンゴの一次ポリプの成長と共生成立を遅らせる可能性があることを示唆するものである。

76(1), 93-99 (2010)
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淡水から脱イオン水に移行したティラピアにおける鰓塩類細胞の短期的応答

崔 丁玄,李 慶美,井ノ口繭,金子豊二(東大院農)

 ティラピアを淡水から脱イオン水に移行した際の鰓塩類細胞の短期的応答を明らかにするため,走査電顕による頂端膜構造の観察と免疫染色によるイオン輸送タンパクの検出を行った。淡水の魚の鰓には,凹型の頂端膜に NHE3 を発現する塩類細胞と,凸型の頂端膜に NCC をもつ塩類細胞が見られた。移行 6 時間までに NHE3 細胞で頂端膜が広がり,24 時間後に NCC 細胞が発達した。このことから,脱イオン水移行に伴う短期的応答としてまず NHE3 細胞が発達し,それに遅れて NCC 細胞が活性化することが示された。

76(1), 101-109 (2010)
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マゴイ Cyprinus carpio 用飼料原料としての遺伝子組換え大豆油粕の有効性

Indra Suharman,佐藤秀一,芳賀 穣,
竹内俊郎,廣野育生,青木 宙(海洋大)

 マゴイ用飼料における遺伝子組換え大豆油粕(GM SBM)と非組換え油粕(Non-GM SBM)の利用性を比較した。GM SBM または Non-GM SBM をそれぞれ 34% および 48% 含む 4 種類の試験飼料を平均体重 22 g のコイに 12 週間給餌した。試験飼料間では成長率および飼料効率に有意な差は見られなかった。GM SBM 飼料区でも,筋肉および血液中にカリフラワーモザイクウイルスプロモーター断片は検出されなかった。以上より GM SBM のコイにおける利用性は Non-GM SBM と同等であり,安全な飼料原料であると推察された。

76(1), 111-117 (2010)
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濃縮大豆タンパク質ベース無魚粉飼料給与マダイ 1 歳魚の緑肝予防と成長改善における飼料タウリン補足の必要性

高木修作(愛媛水試),村田 壽(宮崎大農),
後藤孝信(沼津高専),幡手英雄,延東 真(宮崎大農),
山下浩史(愛媛水試),宮武 久(大洋飼料),
宇川正治(日清丸紅飼料)

 無魚粉飼料給与マダイの緑肝予防と成長改善における飼料タウリン補足の必要性を,0~2.0% タウリン補足濃縮大豆タンパク質(SPC)飼料で,マダイ 1 歳魚を 36 週間飼育して調べた。タウリン無補足区では,飼育成績は著しく劣り,組織タウリン濃度の低下と肝膵臓胆汁色素濃度の増加に伴い緑肝が高率に発症した。この緑肝の主原因は,タウリン欠乏に伴う赤血球の浸透圧耐性低下による溶血増加であった。SPC ベース無魚粉飼料給与マダイ 1 歳魚には,正常な生理状態と成長を維持するため,飼料タウリンの補足が必要なことが分かった。

76(1), 119-130 (2010)
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循環飼育施設で 10 年以上継代された小型アワビ Haliotis disversicolor の成長特性の変化:野外個体群との比較

Wen-Bin Huang (Natl. Dong Hwa Univ., Taiwan),
Jinn-Rong Hseu (Taiwan Fish. Res. Inst., Taiwan)

 台湾の養殖場の閉鎖循環飼育によって 10 年以上にわたって継代された Haliotis diversicolor の成長をベルタランフィー式で表し,既知の野生個体群の成長と比較した。成長式は,殻長(L)では Lt=71.73(1-e-0.84(t-0.16)),体重(W)では Wt=47.70(1-e-0.84(t-0.16))3.180 で表された。体重の瞬間成長率の変化には変曲点が認められ,成長率は 1.54 年で最大になった。野生個体群に比較し,養殖個体群の最大殻長(L)は小さく,成長係数(k)は大きかった。10 年以上の継代養殖によって実現された大きな k の代償として,殻長が短くなったものと考えられた。
(文責 浜崎浩幸)

76(1), 131-137 (2010)
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飼料の脂質含量がクエ稚魚の成長と飼料利用性に及ぼす効果

好井覚大,高桑史明,グエン・フク・フン,
益本俊郎,深田陽久(高知大農)

 本試験は脂質を異なる割合で含む飼料が,クエ稚魚の成長と飼料利用性に及ぼす影響を調査した。飼料中の脂質含量を 60, 130, 210 または 270 g/kg とし,56 日間飼育した。脂質含量 130 g/kg の時,最も良い成長成績と飼料利用性が観察された。その理由として,栄養素の蓄積率とタンパク質の消化率が高いことが考えられた。飼料の脂質含量に対して飼育試験の成長率とタンパク質効率の二次モデル回帰曲線を描くと,至適脂質含量としてそれぞれ 152 と 154 g/kg が得られた。

76(1), 139-145 (2010)
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魚類及び真珠養殖場間のマメタワラ(褐藻綱ひばまた目)中の窒素安定同位体比の相違

松尾広暁,松賀信行(愛媛大農),
大森浩二(愛媛大沿岸研セ),
小泉喜嗣(愛媛水研セ),竹内一郎(愛媛大農)

 魚類養殖場からの窒素負荷を明らかにするため,宇和海沿岸の魚類及び真珠養殖場からマメタワラとワレカラ類を採集し,窒素・炭素安定同位体比(δ15N・δ13C)を測定した。海水中のクロロフィル a,溶存態無機窒素,溶存態無機リン,及び溶存態珪素は魚類養殖場が真珠養殖場よりも 1.5~2 倍高い値を示した。マメタワラの δ15N 値は魚類養殖場が真珠養殖場より有意に高かったが(1.3‰),ワレカラ類では有意差はなかった。よって,マメタワラの δ15N 値は魚類養殖場からの窒素負荷のモニタリングに適していると考えられた。

76(1), 147-153 (2010)
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魚類赤血球膜中のカテプシン L の検出

John Bosco Ahimbisibwe,井上皓介,
青木恭彦(三重大院生資)

 コイ,カンパチおよびマダイの血液から赤血球膜を調製してカテプシン L の活性を測定した。カンパチ赤血球膜中のカテプシン L の比活性はコイよりも顕著に高く,マダイの比活性はコイよりも低かった。さらにヒトカテプシン L 抗体を用いてウェスタンブロッティングを行った結果,カンパチとコイの赤血球膜からカテプシン L の活性型前駆体を検出した。検出した前駆体の分子量は,カンパチで 120 および 85 kDa,コイで 75 および 70 kDa であった。一方マダイの赤血球膜からは分子量 30 kDa の成熟型のカテプシン L を検出した。

76(1), 155-159 (2010)
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EST 解析によるヤリイカ Loligo bleekeri 肝臓で産生される酵素の同定

近藤秀裕(海洋大院),森田貴己(水研セ中央水研),
池田真希,黒坂千尋,設楽愛子,本田由香,
野崎玲子,青木 宙,廣野育生(海洋大院)

 ヤリイカ Loligo bleekeri 肝臓の Expressed sequence tag 解析を行った。669 配列について,その塩基同一性により 324 クラスタに分類した。このうち 123 クラスタが既知のタンパク質と相同性を示し,43 クラスタが EC 番号により分類される酵素と相同性を示した。特に酸化還元酵素および加水分解酵素に分類されるものが多く,グルタチオンペルオキシダーゼ,セリンプロテアーゼ,カテプシン,トリアシルグリセロールリパーゼおよびキチナーゼと相同性を示す配列が多数みつかった。

76(1), 161-165 (2010)
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メダカ Oryzias latipes ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体の転写活性および異なる温度における遺伝子発現

近藤秀裕,三崎良平,渡部終五(東大院農)

 メダカ Oryzias latipes ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR)の cDNA クローニングを行い,リガンド依存的な転写調節活性を調べた。2 つの α アイソタイプのうち完全長 cDNA 塩基配列が決定されたものは種々のリガンドにより活性化されたが,β および γ アイソタイプは活性化されなかった。これら受容体の mRNA 蓄積量は,ほとんどの臓器で 30℃ 馴化魚に比べ 10℃ 馴化魚で高い値を示した。また,PPAR により発現量が調節される脂肪酸の β 酸化に関わる遺伝子群の mRNA 蓄積量も 10℃ 馴化魚で高い値を示した。

76(1), 167-175 (2010)
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