主な企画記事の種類とその内容 |
「特集」
水産学に関連する重要な話題の中から、ひとつの大きな題目について掘り下げ、複数の著者により集中的に解説した記事として掲載しています。専門分野以外の会員が読んでも理解できる読み物的な内容を目指しています。これまでに「水産・海洋系高等学校の地域貢献活動への取り組み」、「外来生物の現状と課題」、「私なりの里海論・里海感・里海的取組」等を掲載してきました。 |
「東北の水産業:東日本大震災からの復興と明るい未来に向けて」
平成23年7月から震災報告シリーズとして、「東日本大震災による水産業の被災実態と復興の足がかり」と題し、被災各県の状況報告や復興の見通しについて連載してきましたが、震災から5年余を経て、表題のとおり、新たなシリーズを立ち上げました。第1シリーズで執筆いただいた関係機関を中心に記事の執筆をお願いしていますが、会員からの提案も歓迎します。 |
「水産研究のフロントから」
水産関連研究機関・水族館・学会等の組織紹介、水産学に関連する学会や研究集会への参加記、研究者による留学先の体験談、会員が取り組む研究の紹介等、水産研究「最前線」の情報を掲載しています。若手をはじめとする会員からの積極的な提案を歓迎します。 |
「話題」
1)水産に関係する最近のトピックスや、水産学上の重要な課題など様々な分野に渡るホットな情報を掲載しています。ニュース性があり、専門分野以外の会員でも興味を持つと思われる事柄や研究等を紹介する読み物的な記事を目指しています。一定のテーマを題材として、複数回にわたる連載記事とすることも可能です。
会員の皆様からの提案も受けながら幅広く取り上げていきたいと思います。
2)「企業だより」
企業から商品・技術の開発、実用化への苦労話等の話題を寄稿していただいております。産業界から日本水産学会への提言等も寄稿していただきたいと考えております。企業の概要、特徴的な商品・技術等とこれらの開発の経緯・背景・展望等が示されることにより、会員にとって有益な情報が得られ、また共同研究や業務提携、学生会員の就職活動のきっかけとなって、水産分野、企業、会員の相互利益となることが期待されます。
3)「水産科学の分野で活躍する女性たち」
水産学が内包する分野は多岐に渡り、女性が活躍できる場もたくさんあります。世代や立場を問わずに多くの女性に登場していただき、執筆者自身の紹介文(略歴、研究内容、体験談)に加え、他の女性研究者や水産(科学)分野への就職を目指す次世代の女子学生へのアドバイスやエール等、生の声をお届けします。水産(科学)分野で女性がさらに活躍できるよう、社会・学界の意識向上に寄与するとともに、将来、本分野を目指す女性たちの道しるべになることが期待されます。自薦はもちろん大歓迎ですし、他薦での提案もお待ちしています。 |
「新刊書紹介」
和書・洋書を問わず、水産学、生物学、海洋学をはじめ、人文社会、さらには雑学まで幅広く良書を取り上げ、その分野のスペシャリストに紹介していただきます。図書の執筆者、会員等から新刊書紹介掲載の提案・当該書籍の寄贈をもとに、委員会が執筆者を検討・依頼します。なお、新刊書紹介の執筆者には、紹介していただいた書籍を贈呈いたします。 |
日本水産学会誌記事の編集方針はこちら
過去に掲載した日本水産学会誌記事はJ-STAGEでご覧いただけます。 |
この電子ジャーナルでは,目次や要旨,引用文献を和文と英文で,また本文をpdfファイルでご覧いただけます。なお,刊行後1年を経ていない号の本文pdfファイルをご覧いただくために,購読者番号とパスワードの入力による認証が求められます。会員の皆様は,すでに日水誌71巻4号とともに配布した案内文をご覧下さい。
企画広報委員会の発足について
平成15年3月
この4月から水産学会の新しい委員会として企画広報委員会が発足しました。従来編集委員会の中の小委員会で担当していた和文誌の企画記事と,ボランティアベースで開設したWebサイトを核にして,水産学会としての新しい企画や広報活動を統括して扱うことにより,従来とかくおろそかになりがちだった会員へのサービスや,学会内外への広報活動を強化していこうというのが本委員会の役割です。
水産学会誌が英文のFisheries Scienceと和文の水産学会誌に分割されたのは1994年のことです。その目的は学術情報の国際化に積極的に寄与するという面と和文誌の一般記事による会員サービスの向上でした。 Fisheries Scienceの方は,海外の出版社からの発行や会員外からの投稿を受け付け等により,水産学全般を扱う本格的な国際誌として順調に発展してきています。しかし和文誌による会員サービス向上の方は充分ではなかったことを残念ながら率直に認めなければなりません。
本委員会の誕生の背景にはもう一つ,3年間の試行ではありますが大会を年1回開催にする問題があります。大会は学会誌発行と並ぶ学会の重大行事です。年1回開催が学会の活力低下を目的とするものでないことはいうまでもありません。むしろ学会のアクティビティーを大会以外のさまざまな場に広げていきたいという意図をもったものといえます。その一つは支部活動の強化であり,もう一つが上にも述べた和文誌企画記事の一層の充実です。そして広報活動を強化して学会のさまざまな活動を支えていく必要があります。
現在検討している和文誌の充実策は次のようなものです。まず報文については従来どおり編集委員会が編集を担当しますが,掲載編数は他の記事のバランスを考えながら企画広報委員会が決定することになります。受賞者紹介,受賞者総説,シンポジウム記録,懇話会記録,新刊書紹介につきましては,従来通りのスタイルで続ける予定ですが,より魅力的な記事になるよう十分な注意をはらっていきたいと思います。従来からあった「水産研究のフロントから」は,これまで要覧的だったとの反省に立って,留学先の報告や研究自体の紹介など,フロント部分に肉薄する記事にしたいと思います。しばらく休載していた「話題」につきましては,最近のトピックスや,水産学上の重要な仮題などを平易に解説して欲しいとの意見が多く寄せられていますが,会員の皆様からの提案も受けながら幅広く取り上げていきたいと思います。今ひとつ方向性が定まらなかった「支部のページ」につきましても,地域固有の課題や情報の発信という面も含めて,支部活動の強化と合わせて充実させていきたいと考えています。
和文誌では新規の企画も検討しています。とりあえず「会員からの声」欄を設けたいと思います。会員の皆様のさまざまな意見を学会に対する不平不満も含めて掲載していくことで,和文誌が会員一人一人のものであることを実感していただけるようになれば幸いです。その他にも皆様からのご意見をうかがいながら新しい企画を考えていきたいと思います。
広報活動については,学会活動の情報を会員にすばやく提供していくために,学会Webサイトをリニューアルする予定です。そこでは,ホームページに速報性を要する記事を掲載するとともに,「各種委員会からのお知らせ」と「支部のページ」を設けて,これらの活動を支援していきたいと思います。また,Web上の「学会誌のページ」では,Fisheries Science誌の本文を掲載するBlackwell Science社のWebサイト上へのリンクを充実させる計画です。さらに会員の皆様から水産学会Webサイトへの意見をもとに,和文誌本文のWebサイトでの閲覧を含めて,会員へのサービスに必要な記事を検討していきたいと思います。
日本の水産業はさまざまな面で危機にさらされています。とかく学問の世界に閉じこもっていた感のある水産学会ですが,その社会的責任はますます大きくなっています。学会としては和文誌,Webサイト等,さまざまな形でその責任を果たしていく必要があります。そのための企画広報委員会ですが,目的達成のためには会員の皆様の協力が不可欠です。皆様からの積極的なご意見をお待ちしております。