「日本水産学会誌」原稿の書き方

投稿の条件
 投稿資格は公益社団法人日本水産学会 投稿規程に拠る。加えて,著者は以下の説明に従って原稿を作成し,出版に関して適切な対応を取ることを条件とする。

原稿
 投稿は J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)の Web 投稿審査システム Editorial Manager®https://www.editorialmanager.com/suisan/)から行う。投稿原稿の本文は Word あるいは PDF により作成し,図や表はWord, Excel, PowerPoint, TIFF, EPS, PDF形式のいずれかで作成すること。なお,英文誌「Fisheries Science」への投稿は http://www.editorialmanager.com/fisc/ から行う。

 用紙は A4 サイズとし,縦長に置き,上下左右に各2 cm以上の十分な余白を設ける。文字は10〜12ポイントの読みやすい大きさで,横書き,行間隔2行で作成する。また,全てのページ下余白の中央にページ番号を付け,図表を除く本文のページ左余白に行番号を全体を通して付ける。

報文の種別
 報文は,論文,短報および総説の3種類とし,いずれも報文として未発表のものに限る。全ての原稿は,編集委員会が定める審査を経て掲載される。

論  文:  それ自身で完結したオリジナルな研究報告でなければならない。
短  報:  論文としてはまとまらないが,限られた部分に関する重要な発見や新しい実験方法などを発表するもので,刷り上がりのページ数で3ページを超えてはならない(1ページあたり2000字,図表は300字程度として計算する)。
総  説:  水産学関連分野のトピックを総説するもので,原則的には編集委員会からの依頼にもとづくが,投稿総説も歓迎する。
本文
1ページ目
 1ページ目(表紙ページ)は,上から順に,タイトル,ランニングタイトル,著者名,所属,英文タイトル,英文著者名,英文所属および所在地を下の例にならって記載する。
 タイトル: タイトルは研究の目的や内容を端的に表現したものであること。「○○の研究1」のような番号付きのタイトルは認めない。
 ランニングタイトル(短縮題名): 内容を簡潔に表すものを 20字以内で記すこと。
 著 者 名: 連名の場合は「,」で連ねること。連絡担当者に「*」を付けて指定し,電話番号,Fax番号,Emailアドレスを記入する。英文著者名は姓を大文字で記載し,それ以外の名前(ファーストネーム,ミドルネーム)は,頭文字を大文字にして残りをスモールキャピタルとする。また,英文では最後の名前の前に「AND」を入れる。
 所属および所在地: 著者の正式な所属機関名を和文および英文で記載すること。共著者の所属が異なる場合は,各著者名に上付き数字を付けて対応させる。さらに,現所属あるいは日本学術振興会特別研究員等の記載の必要な場合は,著者名に上付きアルファベット小文字を付けて対応させる。所在地については「市区名」(都道府県名と同名の場合は町村名),「都道府県名と郵便番号」,「国名」までを英文イタリックで記載する。なお,複数の著者の所属が同一国で連続する場合は,最後の所属のみに「国名」を記載する。
 1ページ目例)
漁獲ストレスを受けたゴマサバの短期蓄養によるストレス回復
ランニングタイトル:ゴマサバの短期蓄養によるストレス回復効果

保 聖子,1* 杉田 毅,2 鶴田和弘,1a 福田 裕,3 木村郁夫

鹿児島県水産技術開発センター,2(国研) 水産研究・教育機構 増養殖研究所,3同 水産大学校,4鹿児島大学水産学部

Recovery from stress of spotted mackerel Scomber australasicus by short resting in a fish cage after capture stress treatment

SEIKO TAMOTSU,1* TSUYOSHI SUGITA,2 KAZUHIRO TSURUDA,1a YUTAKA FUKUDA3 AND IKUO KIMURA4

Kagoshima Prefecture Fisheries Technology and Development Center, Ibusuki, Kagoshima 891-0315, 2National Research Institute of Aquaculture, Fisheries Research and Education Agency, Minami-Ise, Mie 516-0193, 3National Fisheries University, Fisheries Research and Education Agency, Shimonoseki, Yamaguchi 759-6595, 4Faculty of Fisheries, Kagoshima University, Shimoarata, Kagoshima 890-0056, Japan


* Tel : 81-993-27-0000. Fax : 81-993-27-0000. Email : oooooo@pref.kagoshima.lg.jp
a 現所属:鹿児島県鹿児島地域振興局 (Kagoshima Prefecture Kagoshima Regional Promotion Bureau, Kamoike-Shinmachi, Kagoshima 892-8520, Japan)

2ページ目
和文要旨:  タイトル,著者名,所属(略記),要旨の順で記載する。研究の目的,方法および結果をスペースを含めて 250 字以内で簡潔明瞭にまとめる。タイトル,著者名,所属(略記)は文字数に含めない。所属機関の略記については各巻 3 号会報もしくは学会ホームページ内の「日本水産学会が用いる機関名の略記」(http://www.miyagi.kopas.co.jp/JSFS/PUBS/KITEI/kikan_new.html)を参照のこと。
キーワード:  原稿の内容と密接に関連し,一般的な表現で,3から8個のキーワードを要旨の下に記載する。また,数字,ギリシャ文字,アルファベット,アイウエオの順で記載する。

3ページ目
英文要旨: 和文要旨に即して,12 ポイントのTimes系のフォントを用い,200語以内で記載する。短報については英文要旨を必要としない。

4ページ目以降
 緒言,材料と方法,結果,考察,文献,図説明の順序に従い,謝辞が必要なときは,文献の前に記載する。材料と方法結果考察謝辞文献の見出しは中央に太字で記載する。結果と考察は一つにまとめても良いが,編集委員が求める場合は分けて書き直すこと。緒言の見出しは付けない。材料と方法の項のうち,材料,分析法などの小見出しおよび結果考察(または結果と考察)の項のなかの小見出しは太字とし,番号は付けず,本文は追い込みにする。さらに細分した見出しが必要な場合には番号(1., 2., …)を付け,太字にはしない。短報には,謝辞文献のみ見出しを付ける。

 日本語は全角を,英数字,小数点および斜線は半角を使用する。英文要旨や図表説明に全角特殊記号(÷,♂,∴,♀,℃,¥,☆,◎,△,→,※など)を使用しない。ただし,図中の記号および凡例での使用は認めるものとする。

 改行は文章の段落の区切りのみに使用し,スペースは英単語などの区切りだけに使用する。改丁や字下げなどの調整にスペースを使用しない。

脚注
 本文には脚注を付けて内容を補足することができる。脚注は,1つの事項に対して200字以内にまとめること。ただし,半角英数字は1/2文字として数える。より長い説明を必要とする場合や図表を伴う場合は,Appendix(付録)または電子付録(別ファイルとしてオンライン版で公開する付録)を使用する。脚注では,本文中で文献を引用するのと同様に,文献番号を用いて文献リスト内の文献を引用することができるが,脚注を文献リストの代わりに書誌情報を示すためだけに使ってはならない。脚注は,小文字ローマ数字(i, ii, iii, iv, ...)を用いて示し,論文全体を通して番号を振る。

図および表
 図表は,図あるいは表ごとに本文とは別葉にして作成する。図表中の語句および図表の説明は英語で記載する。本文中には,「Fig. 1」,「Table 1」,「Fig. 1a」,「Table 1a, b」,「Fig. 1a-c」,「Tables 1, 2」,「Figs. 2-4」として引用する。図表ともに挿入位置を本文原稿の右の欄外に Fig. 1Table 1 のように赤で指定する。
表:  罫線は最小限に留め,縦の罫線は用いない。表の上部に簡潔な表題を一文で付け,末尾にはピリオドを付さない。さらに説明が必要な場合は,表の脚注として記載する。
図:  A4 サイズに 1 図ずつ書き,用紙の左隅に図番号(Fig. 1,Fig. 2,…)を記入する。図の表題および説明は別葉に一括して箇条書きにする。なお,図の表題および説明は改行しない。刷り上がりの図の大きさは横幅が8 cm(片段)または17 cm(両段)となるので,必要な場合は指定する。図中文字の刷り上がりの大きさは最小でも2 mm程度になるようにすること。写真はコントラストのはっきりとしたものを使用する。

電子付録
 電子付録は,論文に関連する動画や音声,あるいは報文に掲載できなかったデータ,図,表の電子ファイルを,当該論文の補足資料としてJ-STAGE上で提供するものである。本文中には,「動画(電子付録video_1)に示すように」や「元データは電子付録(appendix_1)に示した。」などのように,図表と同様にこれらの付録を引用する。
 動画等ファイルは,Windows Media PlayerやQuick Timeなどのソフトで再生可能なファイル形式(動画はMPEG(MPG),MOV,AVIあるいはWMVなど,音声はMP2,MP3,WAVなど)で作成すること。データ,図,表は,Acrobat Reader,WordあるいはExcel等のソフトで閲覧可能なファイル形式で作成すること。ファイルサイズはダウンロードに支障のない程度のものとすることが望ましい。ただしファイルサイズが30 MBを超える場合には,ダウンロードが容易なファイルサイズ10 MB以下の同じ内容のファイルについてもアップロードしておくことができるものとする。
 これらの付録も審査の対象となるので,投稿時に電子ファイルをアップロードする。電子ファイルには,「author-name_supple_fig1」のように半角英文字でタイトルを付ける。

 本文の関連箇所に引用の順に上付きで(例:Young1,2)または Young3-5))のように一連番号を付ける。著者が複数で,2名の場合は姓を連記(例:山田,田中6)あるいは Brown and Smith7))し,3 名以上の場合は筆頭著者の姓に「ら」または「et al.」を付して記載する(例:鈴木ら8)または Sato et al.9))。句読点の箇所に引用番号を付ける場合は句読点の後ろに置く(例:…ということが知られている。10))。修士論文,学会講演要旨集は論文未発表のものとして引用文献には含めないが,文中に(未発表)として記載しても良い。また,ソフトウェアプログラム,もしくは新聞,インターネット等に掲載された記事を引用する場合には,文中にその出典を括弧書きで記載する。

 文献の項では,本文中で引用した順に番号を付し,その番号順に記載する。Web of Science® Science Citation Index Expanded®収録誌(http://mjl.clarivate.com/cgi-bin/jrnlst/jloptions.cgi?PC=D)に掲載の文献は,ローマ字表記の著者名と英語タイトル,およびWeb of Science®に登録された雑誌名を記載する(日本水産学会誌をはじめとする,本文の記述原語が日本語である雑誌であってもWeb of Science® Science Citation Index Expanded収録誌であれば,同様に対応する)。著者名は姓の後に半角スペースを入れて,姓以外は頭文字のみを記載する。また,姓の後のカンマ,頭文字の省略形を表すピリオド,および最終著者名の前の「and」は付けないものとする。英語以外の外国語で書かれた文献については,英訳されたタイトルを記載する。文献に英訳タイトルの記載がない場合,タイトルは記載しない。いずれにおいても,英語以外の外国語文献については,(in Russian), (in Greek)の例にならって原語が分かるように表記する。なお,英文要旨がある場合は,(in Greek with English abstract)のように記載する。短報においても論文同様に,引用文献には上記のタイトル記載を省略する例外を除き,タイトルを含め全て記載する。

文献
論 文: 著者.タイトル.雑誌名 年; DOI.,または,著者.タイトル.雑誌名 年;:ページ. 必要に応じて (原語の表記等).
 外国語雑誌の略記法は,Chemical Abstracts Service(CAS)および BIOSIS Serial Sources に準拠するものとし,イタリック体で記載する。Web of Science収録誌以外の和文雑誌は雑誌名を略さない。また,投稿中の論文は引用しない。
 和文例1)   1)  大浜秀規,加地弘一,梶原 誠,高橋一孝,坪井潤一.堰堤と渓流魚の共存は可能なのか? 水利科学 2009; 308: 52-69.
 和文例2)   Web of Science®収録誌からの,DOIまたは巻とページによる引用
  2)  Tsuboi J, Takagi Y. Essential characteristics of aquatic environment for ayu habitats. Nippon Suisan Gakkaishi 2016; doi:10.2331/suisan.15-00027 (in Japanese with English abstract).
または Tsuboi J, Takagi Y. Essential characteristics of aquatic environment for ayu habitats. Nippon Suisan Gakkaishi 2016; 82:12-17 (in Japanese with English abstract).
 英文例)  3)  Matsubara K, Matsuura Y, Sumi H, Hori K, Miyazawa K. A fibrinolytic enzyme from the green alga Codium latum activates plasminogen. Fish. Sci. 2002; 68: 455-457.
 英語以外の外国語の例)
  4)  Caill-Milly N, Milly D, Etienne M. Estimation of the main quality factors of bluefin tunas catched for the Japanese market. Sci. Aliments 2001; 21: 255-270 (in French with English abstract).
単行書:著者.書籍名 出版社,出版地.年.(英文書籍名はイタリック体で記載して,最後にピリオドを付ける。)
 和文例)  5)  吉田忠生.「新日本海藻誌」内田老鶴圃,東京.1998.
 英文例)  6)  Billard R. The carp: biology and culture. Springer Verlag, London. 1999.
単行書の中の章:著者.章名.書籍名* 編者* 出版社,出版地.年;ページ.(*英文の場合は逆)
 和文例)   7)  尾島孝男.トロポミオシンとトロポニン.「魚貝類筋肉タンパク質―その構造と機能」(西田清義編)恒星社厚生閣,東京.1999; 70-84.
 英文例)   8)  Brett JR, Groves TDD. Physiological energetics. In: Hoar WS, Randall DJ, Brett JR (eds). Fish physiology Vol. VII. Academic Press, New York. 1979; 279-352.
報告書(巻号のないもの):著者.タイトル.書名,出版者,出版地.年;ページ.
 著者が不明な場合,または複数年にわたる統計資料等を引用する場合は,以下の例 9-11), 13) に従う。報告書タイトルは略さない。
 和文例 i)   9)  滝口明英.乾燥による機能栄養の変化.平成 6〜10 年度水産物機能栄養マニュアル化基礎調査事業総括報告書,水産庁資源生産推進部研究指導課,東京.2000; 207-226.
 和文例 ii)   10)  太平洋北区沖合底びき網漁業漁場別漁獲統計資料(2003).東北区水産研究所八戸支所,八戸.2005.
 和文例 iii)   11)  昭和58年度〜平成15年度北海道水産現勢(北海道区水産研究所編).北海道水産部,札幌.1985-2005.
 英文例 i)   12)  Kellens M. Current developments in oil refining technology. Technical Report De Smet-Belgium, Antwerp. 1997; 35-48.
 英文例 ii)   13)  The world supply of Alaska pollock. National Marine Fisheries Service, Washington D.C. 1975-1984.
学位論文:著者.論文名.博士論文,学位授与機構(大学)名,所在地.年.
 和文例)   14)  小林幸芳.鶏卵と水産油脂を用いた乳化物の物性に関する研究.博士論文,東京水産大学,東京.1996.
 英文例)   15)  McDonald SA. Population structure, biochemical adaptation and systematics in temperate fishes of genera Arripes and Chrysophrys (Pisces: Perciformes). PhD Thesis, Australian National University of Canberra, Canberra. 1980.
特許:発明者.発明の名称.公開特許公報または特許公報の番号,年.
 引用には特許出願公開番号(特開)または特許番号(特許)を取得したもののみ可能とする。出願番号(特願)は引用文献とはしない。
 和文例 i)   16)  濱田奈保子,斉藤智子.糸状菌及びこれを用いた環境浄化法.特開2006-246802, 2006.
 和文例 ii)   17)  羽曽部正豪.薄片製造装置及び薄片製造方法.特許第3869453号,2007.
 英文例 i)   18)  Hu F, Tokai T, Kinoshita H, Kumazawa T. High lift otter board. WO/2010/092980, 2010.
 英文例 ii)   19)  Aoki T, Hirono I. DNA vaccine for koi herpes virus (KHV) disease. US Patent 8,052,977 B2, 2011.

インターネット上の公開データベース等の引用について

 公設研究機関等がインターネット上に公開しているデータベース等を引用する際には,本文中の関連箇所に,引用したサイトが指定している表記法に従って URL 等をカッコ内に記述する。
 例えば,有機化合物のスペクトルデータベース SDBS の場合は次のような表記法が指定されている。
SDBSWeb:https://sdbs.db.aist.go.jp(National Institute of Advanced Industrial Science and Technology,アクセスした年月日)
したがって,SDBS の引用は本文中で以下のように記述する。
 例)   …得られた物質の IR スペクトルを SDBS のスペクトル(SDBSWeb:https://sdbs.db.aist.go.jp,National Institute of Advanced Industrial Science and Technology,2008年4月17日)と比較することにより同定を行った。

用語
 原則として「学術用語集(動物学編,植物学編,化学編,農学編など)」(文部省)および「新・英和和英 水産学用語辞典」あるいは「Web版 新・英和和英 水産学用語辞典 (http://www.jsfs.jp/d-dic/)」 (日本水産学会編,恒星社厚生閣,2017)に準拠する。

 生物名は標準和名をカタカナで書き,続けて学名をイタリックで入れる。学名の前後には括弧やカンマを付けない。原則として,学名の後に,括弧付きで分類群を記さない。「いわし旋網」,「かつお節」などの場合にはカタカナを用いない。英文要旨中では,生物名の次に学名を入れる。微生物名などはそのまま学名を用いる。原則として命名者を省く。また属名や種名を最初から略記してはならない。本文中で学名の表示を必要以上に重複させることは避ける。図表中の学名は略さない。

 化学名は慣例に従って漢字もしくはカタカナで記載し,原語を用いる必要のあるときは小文字で書く。化合物の略語は国際慣用に従い,必要なときは,本文中でその旨を注記する。外国語は原則としてカタカナ書きとする。原語を用いる場合,人名,地名,ドイツ語の名詞,固有の商品名などを除き,小文字で記載する。同一報文中で同一物名について和洋語を混用してはならない。英文中の日本語はローマ字表記でイタリックとする。

遺伝子座

 遺伝子および遺伝子座の命名は Gene Nomenclature for Protein-Coding Loci in Fish (JB Shaklee et al. Trans. Am. Fish. Soc. 1990; 119: 2-15) に準拠すること。

酵素

 酵素名は,本文中の必要な箇所に酵素番号および系統名あるいは常用名を記述する。酵素番号および系統名は,国際生化学連合(International Union of Biochemistry and Molecular Biology, IUBMB)の酵素委員会(Enzyme Commission)によって分類された “Enzyme nomenclature 1992” (Academic Press) に準拠する。ATPase のように基質名の略記が慣用されている場合を除いて酵素の名前を省略しない。

核酸塩基配列

 新規の核酸塩基配列およびアミノ酸配列データは GenBank, EMBL あるいは DDBJ 等のデータバンクに登録すること。本文中に accession number を表記する際には,論文の場合は材料と方法の最後に,短報の場合は本文の最後に表記すること。

物理量とその記号

 物理量の名称や量記号等はできるだけ国際純正・応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry, IUPAC)の勧告*1,2に従う。物理量の記号はイタリック体(斜体)で記載する。添字はそれ自身が物理量を表すときはイタリック体とし,そうでない場合にはローマン体(立体)で記載する。

単位

 単位の記載においては,別表 1〜3 の国際単位系*3(SI)を尊重する。略記するものについては複数でも s を付けない。

 複数の単位の積で表される組立単位は,各単位を積の記号「・」で結びつけて表す(誤解する恐れがなければ積記号は省略してもよい)。
  例) N・m(Nm でも可)

 複数の単位の商で表される組立単位は,各単位を商の記号「/」あるいは負の指数を付けて表す。商記号は 1 つの組立単位中では 1 個だけ使用してよい。負の指数が付く単位が複数ある場合に商記号を用いて表す際はそれらをカッコの内に入れる。
  例) J/K あるいは JK−1,W/(m・K) あるいは Wm−1K−1


*1  “Quantities, Units, and Symbols in Physical Chemistry. 3rd edition”, Royal Society of Chemistry, Cambridge. 2007.

*2  「物理化学で用いられる量・単位・記号」日本化学会標準化専門委員会監修.講談社,東京.1991.

*3  “Le Système International d'Unités. 8e édition” BIPM. 2006.

    (日本語訳:「国際文書第 8 版 国際単位系(SI)日本語版」日本規格協会,東京.2007.)

文字指定

 変数(統計に関する変数も含む)やパラメータは,イタリック指定とする。統計に関する変数については,習慣にならって大文字または小文字を使い分ける。p, r, nについては小文字表記を推奨するが,必要であれば大文字表記にしても構わない。ただし,図表内での使用も含め,論文内で表記の定義が一貫していることを条件とする。

  イタリックとするもの: x, y, n(個体数など), p, r(相関係数), R2(決定係数), t-test, F-test, U-test
  ローマンとするもの(略記であって変数ではないもの): SD(標準偏差), SE(標準誤差), df(自由度;νは使わない), SEM

 化学関係の記号は次のように字体を区別する。

  イタリックとするもの: o-, m-, p-, N-, O-, S-, n-, d-, l-, prim-, sec-, tert-, cis-, trans-
  ローマンとするもの: pH, Rf, Cl, bis-, iso-, homo-

受理原稿電子ファイルの提出要領

 受理通知を受け取った後に,著者はPDFに変換した清書原稿の電子ファイルを日本水産学会事務局に提出する。また,微細な修正を追加した場合は,最終原稿の電子ファイルも提出する。

  1) 電子ファイル原稿は,原則として受理済みの最終原稿と一致していること。微細な修正を追加した場合は,修正内容について報告する。
  2) 画像ファイル形式はWord, Excel, PowerPoint, TIFF, EPSのいずれかとすること。また,300 dpi 以上の高解像度で保存すること。JPEGも受け付けるが,破壊的圧縮方法であることに留意すること。また,再現性を高めるために,オリジナル写真や図表,あるいは本文体裁を反映したPDFを必ず添付すること。
  3) 表は,PDFに変換したファイルのほか,Word, Excelなど,各数値を入力作成したオリジナルのファイルも提出する。
  4) 提出する電子ファイルはバックアップコピーをとり,印刷終了時まで著者の手元に保管する。

倫理指針
著者は以下の指針を遵守するものとする。
・科学研究成果の発表
 著者は,行った研究を正確に説明し,その研究における成果を客観的に解釈するべく努めるものとする。また,その研究結果の再現性検証に必要な情報は,全て必ず原稿に記述されなくてはならない。
・引用
 著者は,その研究の背景となった既往研究を引用する義務を負う。なおかつ,引用する研究内容は,適正な科学的審査を経て認知された内容であり,他からの引用ではないオリジナルの物に限る。研究に関連のある特定の著者や文献を,故意に排除することは,認められない。引用に伴う著作権に関係した紛争は,全て著者(引用者)の責任となるので,他から図や表を引用する際には原著者および版権所有者の了解を得ておくこと。
・余剰出版,盗作
 一つの研究から得た知見を複数の報文に分けて発表すること(余剰出版)は望ましくないものとする。盗作は容認しない。
・二重投稿
 本質的に同じ研究を報告した論文原稿を複数の科学雑誌に投稿してはならない。
・偽造,捏造,改ざん,盗用
 著者は,存在しないデータや研究結果等を作成する偽造・捏造,データや研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工する改ざん,他の著者の文献からの盗用などを行ってはならない。
・著者の権利および義務
 研究の科学的成果に寄与した関係者は,報文の共著者に含めること。反対に,寄与のない者を共著者に含めることは認めない。共著者は,研究成果の発表について等しく責任を持ち,説明の義務を負う。投稿に際しては,原稿は事前に共著者全員の校閲を経ておかなければならない。
・利益相反
 投稿に際しては,利益相反(conflict of interest; COI)に関する情報開示を求めるものとする。著者は,投稿報文の研究の遂行や,原稿作成にバイアスをもたらす可能性がある全ての金銭的あるいは個人的利益関係を,原稿中に記載すること。
・実験動物の取り扱い
 動物を対象とした研究は,所属機関あるいは研究の行われた地域の定める指針に沿って行うこととする。
・審査校閲
 著者は等しく公正な審査校閲を受ける権利を有する。審査校閲において,著者の知的独立性は保たれるものとする。
 報文の審査校閲者は,原稿のクオリティを客観的に評価する義務を負う。審査校閲者は,自身が下した判断内容の根幹部分を,編集委員や著者が正しく理解し得るよう,的確に説明する義務を負う。審査校閲者は,著者以外の研究者による関連する研究が引用されていることを確認すること。審査校閲者は,速やかに校閲結果を報告し,遅滞を避けること。
 投稿報文の受理/棄却の判断責任は,編集委員が負う。決定の判断基準は,研究の重要性,独創性,明瞭性,日本水産学会誌の取り扱う分野との関連性の4点のみとする。編集委員による投稿報文の審査校閲は,他の編集委員が担当し,著者である編集委員は審査に関与してはならない。
 編集委員と審査校閲者は,個人的あるいは職業的に関係のある者による投稿報文の審査校閲は,受けてはならない。
・守秘義務
 編集委員と審査校閲者は,原稿を機密保持文書として扱い,その内容や関連する情報を外部には絶対に公開してはならない。
 投稿報文に記載された未発表の情報を,編集委員と審査校閲者は自身の研究で使ってはならない。
 審査校閲者の氏名および関連情報は機密として管理する。