Fisheries Science 掲載報文要旨

魚類の発育初期における塩類細胞とその機能的分化

金子豊二,白石清乃,加藤扶美,長谷川早苗,廣井準也(東大海洋研)

 鰓の未発達な発育初期の魚では塩類細胞が体表に広く分布する。広塩性魚ティラピアの胚仔魚では,卵黄嚢上皮の塩類細胞が淡水中で単独に存在するのに対し,海水中ではアクセサリー細胞と細胞複合体を形成し,体内に過剰となる塩類を排出する。卵黄嚢上皮の塩類細胞は機能的可塑性を有し,淡水から海水に移すと淡水型の細胞が海水型へと変化する。体表の塩類細胞はティラピアに限らず一般に認められ,胚仔魚期の主要な浸透圧調節部位として機能する。また成魚の鰓と比べ卵黄嚢上皮の構造は単純で,鰓塩類細胞の実験モデルとしても有用である。
68(1), 1-9 (2002)
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タイ国トランのマングローブ汽水域の魚類相

Prasert Tongnunui(Rajamangala 大),池島 耕,山根武士,堀之内正博(東大院農),Tomon Medej(Rajamangala 大),佐野光彦,黒倉 寿,谷内 透(東大院農)

 タイ国トランのマングローブ汽水域の魚類相を明らかにするため,小型地曳網,大型地曳網および小型張網により魚類を採集した。43 科 135 種 25,072 個体の魚類が採集され,種数ではハゼ科(28 種)が最も優占し,次いでヒイラギ科(11 種),カタクチイワシ科(10 種)の順で多かった。個体数ではカタクチイワシ科,ヒイラギ科,タカサゴイシモチ科が優占した。これまでに報告されている他の熱帯域のマングローブ汽水域と比較すると,トランの魚類相は熱帯オーストラリアに似ていることが明らかになった。総種数は他の地域の報告に比較し多かったが,比較的少数の種が個体数で優占する現象は他地域と同様であった。
68(1), 10-17 (2002)
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ミトコンドリア DNA D ループ領域の PCR-RFLP 分析によるアユ集団の遺伝的変異性と分化

池田 実,谷口順彦(東北大院農)

 絶滅危惧種であるリュウキュウアユを含めたアユ集団の遺伝的変異性と分化について,ミトコンドリア DNA の D ループ領域の PCR-RFLP 分析により検討した。その結果,集団内のハプロタイプ多様度は,海産で 0.905,湖産で 0.766,リュウキュウアユの東集団で 0,西集団で 0.251 と,リュウキュウアユの遺伝的変異性の低さが再確認された。また,リュウキュウアユの 2 集団間には共通のハプロタイプが観察されず,両者に遺伝子流動がないことが示唆された。集団間の純塩基置換率は海産と湖産間で 0.265%,リュウキュウアユの東西集団間で 0.276% を示した。以上の結果は,従来の核マーカーを用いた分析により得られた知見とよく一致した。
68(1), 18-26 (2002)
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変態着底過程におけるヒラメ飼育仔稚魚の核酸およびタンパク質量の変化

郭 又暫(ジョージア大海洋研),田中 克(京大院農)

 ヒラメ飼育仔稚魚の RNA, DNA およびタンパク質量を個体レベルで測定し,変態・着底過程における変化を調べた。個体当たりの DNA 量は変態着底期を通して増加したが,RNA 量の増加は停滞し,その結果 RNA/DNA 比は変態後期(着底期)から変態完了期にかけて顕著に減少した。タンパク質量は RNA 量と類似した変化を示した。タンパク質/DNA 比は変態完了期にピークを示した後減少した。これらの結果は,変態完了期(着底直後)までは細胞の肥大を,その後は細胞増生を中心に発育が進むことを示唆している。一時的に栄養状態が低下(RNA/DNA 比の急減)する変態着底期は,本種の生残にとって潜在的な critical 期になることが推定された。
68(1), 27-33 (2002)
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ティラピアの成長に対するスピルリナの有効性および魚体組成成分に及ぼす影響

竹内俊郎,陸 君,吉崎悟朗,佐藤秀一(東水大)

 植物-魚類の食物連鎖に着目し,食性転換期のティラピア稚魚に単培養した生のスピルリナ(RS)を単用給餌し,成長および魚体成分に及ぼす影響を検討した。50 L 気昇式フォトバイオリアクターを用いて半連続単培養した RS あるいは配合飼料(CD)をティラピア稚魚(平均体重 1.59 g, n=10)に与えた。飼育は 30 L 水槽に 10 尾ずつ収容し,各試験区 2 水槽を用いて,水温 28±0.5℃ で 9 週間行った。RS 給餌区は,CD 給餌区と比較し,日間成長率と飼料効率は劣ったが,生残率は優れていた。また,全魚体を分析した結果,RS 給餌区では粗タンパク質含量の増加と脂質含量の低下がみられ,さらに脂肪酸組成では n-6 多価不飽和脂肪酸の割合が増加した。以上の結果より,RS のみを用いて稚魚からティラピアを飼育することが可能であると判断された。
68(1), 34-40 (2002)
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ホシササノハベラの卵濾胞における 17,20β-dihydroxy-4-pregnen-3-one と 17,20β, 21-trihydroxy-4-pregnen-3-one のステロイド合成経路

太田耕平,松山倫也(九大院生資環)

 ホシササノハベラの各種発達段階にある卵濾胞を用いてステロイドホルモンの合成経路を調べた。その結果,卵黄形成後の卵濾胞で C17, 20-lyase 活性の減少と 20β-hydroxysteroid dehydrogenase 活性の増加による合成経路の転換が起こり,高い卵成熟誘起効果を持つ 2 種のステロイド,17,20β-dihydroxy-4-pregnen-3-one と 17,20β,21-trihydroxy-4-pregnen-3-one が生成されることが示された。
68(1), 41-50 (2002)
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開口直後のティラピア仔魚に対する生のスピルリナの有効性

陸 君,吉崎悟朗,酒井 清,竹内俊郎(東水大)

 植物-魚類の食物連鎖に着目し,開口直後のティラピア仔魚に対する生のスピルリナ(RS)の有効性を検討した。まず,開口直後(孵化後 13 日齢,体長 0.8 cm,体重 0.01 g)および,市販配合飼料で体長 1.8, 2.0, 2.5 および 3.0 cm に達した仔魚に RS を給餌し(給餌率 30%),それぞれ 10 週間飼育した。その結果,RS を体長 2.0 cm 以前から与えた仔魚はそれ以降に与えた仔魚に比較して成長が劣ったが,開口直後の仔魚は稚魚(体長 4.5 cm)にまで成長した。さらに,RS 単用による開口直後からの仔魚に対する給餌率の影響を調べた結果,RS 単用飽食飼育により,飼育 10 週間後には体長 7.4 cm,体重 14.9 g(n=20)に達した。単用 30% 給餌区では体長 4.5 cm,体重 3.2 g(n=20)に,一方,10% 給餌区は途中で成長が停滞した。以上,開口直後のティラピア仔魚は RS 単用給餌により正常に成長することが明らかになった。
68(1), 51-58 (2002)
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サワラ仔魚の飢餓耐性

小路 淳,青山光宏(京大院農),藤本 宏,岩本明雄(日栽協),田中 克(京大院農)

 摂餌開始期のサワラ仔魚の飢餓耐性を飼育実験により調べた。仔魚は 18.5℃ ではふ化後 6 日に摂餌を開始し,ふ化後 7-9 日に卵黄吸収を完了した。ふ化後 6, 7, 8 および 9 日に給餌を開始した群のふ化後 10 日における生残率はそれぞれ 91.6, 16.7, 8.3,および 0 % となり,明瞭な point-of-no-return が摂餌開始後 1 日以内に存在するものと考えられた。摂餌開始から 1 および 2 日遅れて給餌を開始した群のその後の成長は停滞した。これらの結果は,サワラ仔魚が飢餓に対して極めて敏感であり,摂餌開始期における摂餌の成否がその後の成長・生残を大きく左右する可能性を示している。
68(1), 59-64 (2002)
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有限要素法によるロープ構造物の形状と張力解析

万  栄,胡 夫祥,東海 正,松田 皎(東水大)

 一様流中に置かれた網などのロープ構造物の形状および張力を解析するために,構造物全体を有限なロープ直線要素で離散化し,素材の伸びを考慮した有限変形理論に基づく有限要素法を用いた新たな解析手法を導入した。まず,流体力や重力で支配される柔軟な性質をもつロープ構造システムの挙動を表す非線形連立方程式を導き,Newton-Raphson 法を用いて,各要素の節点変位および張力を求めた。次に,本解析法の精度を確かめるために,東京水産大学の回流水槽において,単純な延縄モデルを用いた水槽実験を行った。主流方向に対してそれぞれ 0°と 10°の角度で設置された延縄モデルについて,50 cm/s と 70 cm/s の設定流速における二次元および三次元の形状を調べた。その結果,いずれの設置角度および流速においても,数値シミュレーションした結果は実験で調べた形状とよく一致した。
68(1), 65-70 (2002)
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バショウトビウオの成長に伴う適応的な体形変化

Juanito C. Dasilao Jr.(中央水研),Andrew Rossiter(琵琶湖博),山岡耕作(高知大農)

 バショウトビウオの成長に伴う体形変化を,計測形態学的手法を用いて調べた。成長とともに吻部が伸長し,頭部の高さが他の体の前半部の部位に比べて小型化した。この頭部の扁平化に関連して眼径と眼窩の後方の頭部が小さくなり,頭部が小さくなった。体幹部と尾部の長さはその高さとは不釣り合いに長くなり,全体の体形は延長した。背鰭の最後の鰭条から尾鰭上葉基底までの距離は,臀鰭の最後の鰭条から尾鰭下葉基底までの距離の増加に比べて大きくなり,成魚では全体が腹方へ傾く尾鰭を示した。頭部と体幹部の形態の変化は体形を流線型へと改変し,一方尾部の腹方への傾きは,大型化した尾鰭下葉の部分の離水時における働きを最大にするものと考えられる。
68(1), 71-76 (2002)
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広島湾における Alexandrium tamarense 栄養細胞出現の季節性

板倉 茂,山口峰生(瀬戸内水研),吉田 誠(長大水),福代康夫(東大アジアセンター)

 広島湾の 1 定点で有毒プランクトン Alexandrium tamarense 栄養細胞の出現動態を調査した。本種の栄養細胞は 1~6 月にのみ出現し,毎年 4~5 月に 5 m 層で最高細胞密度(103~104 cells/L)が観測された。栄養細胞出現期の水温は 10.2℃~20.2℃ の間にあり,4 月前後から水温成層が形成されていた。この時期の無機栄養塩濃度は非常に低く,特にケイ酸塩濃度は年間の最低値を示した。今回の結果と既往知見から広島湾の A. tamarense 栄養細胞出現の季節性には水温と栄養塩濃度が強く影響していること,本種のブルームは珪藻の春季ブルームと同時または直後に形成されていることが示唆された。
68(1), 77-86 (2002)
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多回放流多回再捕により推定したヒメエゾボラの自然死亡と漁獲率

鈴木健吾,平石智徳,山本勝太郎,梨本勝昭(北大院水)

 1991 年 8 月から 1994 年 3 月の間に北海道上磯郡知内町でヒメエゾボラの標識放流実験を行った。標識放流は多回放流多回再捕とし,調査漁獲および商業漁獲によって得られた再捕個体のデータから自然死亡係数と商業漁獲の漁獲率を最尤法で推定した。推定結果は自然死亡係数が単位時間を一日として 1.438×10-3,また 1994 年に行なわれた商業漁獲の漁獲率は 77.3% となった。この結果,漁獲対象となる大きさのヒメエゾボラでは,漁獲を受けた場合の全死亡に占める漁獲の割合が少なくとも 53% と推定された。
68(1), 87-94 (2002)
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チリ北部海域産マイワシ Sardinops sagax の卵巣成熟にみられる周年変化

Guido Plaza, Gabriel Claramunt, Gustavo Herrera(Univ. Arturo Prat)

 1992 年 4 月から 1993 年 3 月の 12 ヶ月間にわたり,チリ北部海域で漁獲されたマイワシ Sardinops sagax の成熟中の卵巣を対象に intermediate fecundity,バッチ産卵数および卵径の周年変化を調べた。二種類の抱卵数ともに同様の季節変化を示し,夏季(6~9 月)と冬季(12~3 月),特に夏季に高い値を示した。また,中間卵群と大型卵群の平均卵径も同様に冬季と夏季にピークをもつ周年変化を示した。以上のような 2 つのピークをもつ抱卵数の周年変化に影響を及ぼす要因について考察を加えた。
68(1), 95-103 (2002)
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名取川河口域におけるイシガレイ稚魚によるイソシジミ水管に対する摂食圧

佐々木浩一,工藤 真,冨山 毅,伊藤絹子,大森迪夫(東北大院農)

 成育場における水管捕食を通したイシガレイ稚魚とイソシジミの種間関係を解析するために,捕食者,被食者側それぞれから得られる情報を結合して摂食圧を推定した。飼育実験による摂餌と成長の関係から,イシガレイ稚魚 1 個体が河口域で生活する約 4 ヶ月間に摂食する水管は,約 6400 片,6.2 g と推定される。イソシジミの被食水管の再生率に基づいて被食率を推定した。摂食圧の高い水域での被食率(回/日/個体)のうち,イシガレイ稚魚によるものは 0.160 で,1 個体のイソシジミは 1 シーズン中に約 20 回繰り返し被食を受け,約 17 mg の水管を食われる。イシガレイ稚魚 1 個体の 1 シーズンの捕食量は,イソシジミ約 370 個体の水管被食量に相当する。
68(1), 104-116 (2002)
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Acetes intermedius のノープリウス期の発生に及ぼす水温塩分の影響

陳 勇輝,陳 一鳴(中山大)

 Acetes intermedius のノープリウス幼生を 3 段階の水温(20, 25, 30℃), 5 段階の塩分(15, 20, 25, 30, 35)を組み合わせた15条件下で飼育した。塩分20-25 では水温 20℃, 25℃, 30℃ でプロトゾエアに達するまでに,28 時間,45 時間,4-5 日を要し,水温 25 から 30℃ では,塩分 25, 30 で,塩分 20, 25 に比べて,早くプロトゾエアに達した。20℃ では,塩分による影響は見られなかった。プロトゾエアへの変態率は,水温 25, 30℃,塩分 20 から 30 で,90 から 100% であったが,水温 20℃ では,塩分にかかわりなく低下した。また,いずれの水温でも,塩分 20 から 30 で,変態率が高く,水温塩分条件によって,変態率が変動することが明らかになった。
68(1), 117-122 (2002)
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テラピア肝細胞初代培養系における生体外ビテロジェニン合成

金 柄鎬,竹村明洋(琉大熱生研)

 テラピア Oreochromis mossambicus の肝実質細胞初代培養系を確立し,生体外におけるビテロジェニン(VTG)合成に関わるホルモンの効果を調べた。単離した肝細胞は血清無添加 L-15 培養液で 2 週間以上維持できた。肝細胞培養液中の VTG 量を酵素免疫測定法で測定した結果,VTG は雌では検出できたのに対し,雄では検出できなかった。雄の肝細胞培養液中に雌性ホルモン(E2)を添加すると VTG を誘導できたが,インシュリンや成長ホルモンの添加はその効果がなかった。以上の結果からテラピア肝細胞における VTG 誘導に E2 は必須であることが明らかになった。また VTG 誘導に関与するホルモンは魚種によって異なることも示唆された。
68(1), 123-131 (2002)
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ニジマス発眼胚におけるテロメラーゼ活性

依田昌樹,高橋計介,森 勝義(東北大院農)

 近年ニジマスの稚魚・成魚の正常組織に高いテロメラーゼ活性が検出されている。本研究では,ニジマスの発眼胚にもテロメラーゼ活性が存在するのかを定量性にすぐれた stretch PCR 法を用いて検出した。供試したすべての発眼胚に高いテロメラーゼ活性が検出され,HeLa 細胞と 1 細胞あたりの相対活性を比較した結果,19.3~50.7 倍と著しく高い値を示した。発眼胚のテロメラーゼは 85℃ の熱処理および RNase の前処理によって活性が完全に消失し,テロメラーゼの特徴である易熱性の RNA 複合タンパクであることが確かめられた。
68(1), 132-137 (2002)
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琵琶湖産アユの遺伝的集団構造

井口恵一朗(中央水研),大河俊之(京大院農),西田 睦(東大海洋研)

 ミトコンドリア DNA の塩基配列をマーカーに用い,琵琶湖陸封アユの春遡上群(オオアユ)と秋遡上群(コアユ)を調査した。産地の異なる標本間では固有の塩基多様度が認められ,遺伝的な構造が存在することが示唆された。標本間の固定指数により,オオアユとコアユは必ずしも地域集団を共有しないこと,ならびにコアユ地域集団においては地理的距離の隔たりに応じた分散機構の存在することが推定された。琵琶湖産アユはメタ個体群を形成している可能性があり,このことは,種苗放流に係わる遺伝的多様性の保全において考慮されるべきである。
68(1), 138-143 (2002)
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淡水藻類 3 種の成長と光合成に及ぼす農薬の影響

N. G. Guanzon, Jr.(SEAFDEC, Philippines),中原紘之(京大農)

 淡水微細藻類 3 種,藍藻類(Microcystis aeruginosa),珪藻類(Aulacoseira granulata),緑藻類(Scenedesmus quadricauda)の成長率と光合成に対する,除草剤 CNP,殺虫剤 MEP,殺菌剤 ISP,防汚剤 TBT の影響を調べた。これらの農薬の中では CNP と TBT の阻害作用が大きく,低濃度では光合成阻害が成長阻害より顕著に現れた。また,藻類間でも違いが見られ,S. quadricauda が最も低濃度で阻害が見られた。
68(1), 144-151 (2002)
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台湾と日本に来遊した熱帯ウナギ Anguilla marmorata の接岸回遊

新井崇臣,丸井美穂(東大海洋研),大竹二雄(三重大生物資源),塚本勝巳(東大海洋研)

 台湾と日本の河川に来遊した熱帯ウナギ Anguilla marmorata の耳石微細構造と Sr/Ca 比から A. marmorata の接岸回遊生態を推定した。台湾に来遊した A. marmorata の変態(開始)日齢と接岸日齢は,それぞれ 114±13.8 日(平均±標準偏差),144±15.7 日で,日本に来遊した A. marmorata の変態日齢と接岸日齢は,それぞれ 123±13.9日,154±17.3 日であった。接岸場所が異なるにも関わらず同種内で各日齢には有意な差が見られなかった。各個体の変態日齢と接岸日齢の関係は,いずれの地点においても強い正の相関を示し,若齢で変態を開始した個体ほどより若齢で河口に接岸する傾向が認められた。変態開始のタイミングが,その後の接岸日齢を決定する主要因と考えられた。
68(1), 152-157 (2002)
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ヒラメ Paralichthys olivaceus 幼魚のタンパク質要求量

李 尚旻,朴 鐵洙(江陵大),房 仁哲(順天郷大)

 飼料中のカロリー含量を一定にした 6 種類のタンパク質含量(40-65%)の飼料を用いて,平均体重 22.7 g のヒラメ幼魚を 9 週間飼育し,タンパク質要求量を調べた。なお,タンパク質源にはカゼインと北洋魚粉を併用した。成長および飼料効率は,飼料中のタンパク質含量が 45 および 50% 区で有意に優れていた(P<0.05)。一方,タンパク効率は高タンパク質含量の 55, 60 および 65% 区で低下した(P<0.05)。その他,血漿中のタンパク質やグルコース含量,肝臓および背肉の一般分析結果から,体重が 22.7-110 g のヒラメ幼魚の飼料中タンパク質含量は 45% 前後が望ましい事がわかった。
68(1), 158-164 (2002)
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ハクレンおよびスケトウダラのすり身から製造したかまぼこに対する中国人と日本人の受諾性の比較

王 錫昌(上海水産大),平田 孝(京大院農),福田 裕(中央水研),木下政人(京大院農),坂口守彦(京大院農)

 ハクレンおよびスケトウダラのすり身からかまぼこを製造し,匂い,風味,テクスチャー,白色度および総合的受諾性を評価し,中国人と日本人の間で比較した。ハクレンかまぼこに対する受諾性は,日本(京都)ではスケトウダラかまぼこに比べて全ての項目において有意に低く,その傾向は匂いの点で特に顕著であった。中国沿海部の上海でも同様の傾向を示した。一方,内陸部の武漢では,両かまぼこに対する受諾性の差異は全体に小さかった。両かまぼこに対する受諾性の違いは,地域や魚食習慣の相違によるものと考えられた。スケトウダラ筋肉エキスを添加したハクレンかまぼこを評価すると,匂いの評点は幾分改善されることが判った。
68(1), 165-169 (2002)
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エビ殻から調製したキチンおよびキトサンの抗菌活性と魚類貯蔵への応用

蔡 國珍,蘇 文慧,陳 幸臣,潘 崇良(台湾海洋大)

 エビの殻から化学的に調製したキチンをさらにアルカリで処理して脱アセチル化度が低度(47~53%),中度(74~76%)および高度(95~98%)のキトサンを得た。これらについて抗菌・抗カビ活性を調べたところ,脱アセチル化が進ほど活性が強くなった。脱アセチル化が高度なキトサンは,各種バクテリアに対して,50~200 ppm で成長阻害作用を示した。また,Candida albicansFusariumu oxysporum の成長をそれぞれ 200 および 500 ppm で抑えたが,Aspergillus 属のカビには 2000 ppm でも効果を示さなかった。この高度に脱アセチル化されたキトサンの 1% 溶液でサケの切り身を 3 時間処理したところ,その貯蔵日数を 5 日から 9 日に伸ばせた。一方,微生物処理によって得られたキチンを各種プロテアーゼで脱アセチル化して調製したキトサンは抗菌・抗カビ活性を示さなかった。
68(1), 170-177 (2002)
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ビスフェノール A およびノニルフェノールのコイの免疫細胞に与える影響

具志堅芳樹,綿貫泰亘,酒井正博(宮崎大農)

 コイの頭腎から分離した白血球を 0.1, 1 および 10 nM の濃度のビスフェノール A もしくはノニルフェノールに暴露させ,活性酸素の産生,酸化窒素の産生および貪食能を測定した。その結果,無処理の細胞と比べてビスフェノール A を作用させた細胞は 0.1, 1 および 10 nM の濃度で活性酸素の産生量が有意に増加した。ノニルフェノールを作用させた細胞でも同様な結果が認められた。貪食能は,0.1 nM のビスフェノール A を作用させた細胞のみ減少が認められた。一方,酸化窒素の産生量についてはどのような変化も見られなかった。従って,ビスフェノール A とノニルフェノールは,コイの白血球の機能に影響を与えることが示された。
68(1), 178-183 (2002)
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福島県いわき産バフンウニ生殖巣の苦味と pulcherrimine 含量の季節変化

村田裕子,横山雅仁(中央水研),鵜沼辰哉(養殖研),佐田(潮)紀子,桑原隆治,金庭正樹(中央水研)

 福島県いわき地方に生息するバフンウニの生殖巣指数(GI),生殖巣の苦味の発現頻度と pulcherrimine 含量を 3 ヶ月おきに調べた。GI は 5 月に最低値を示した。5 月と 8 月には 2 割以上の未成熟個体が見られた。しかし,どの季節にも多くの成熟個体が見られた。1998 年 11 月,1999 年 2 月,11 月では 95% 以上の成熟雌個体が苦味を有していた。一方,5 月と 8 月では成熟雌個体における苦味個体の割合は 60% であった。また,8 月の未成熟個体の 20% が苦味個体であった。pulcherrimine 含量の少ない成熟雌個体は 2 月から 8 月(1999 年)の間に増加し,8 月から 11 月(1999年)の間に減少した。これらの結果から苦味アミノ酸 pulcherrimine の卵巣中での含量は雌性生殖巣の季節変化と関係があることが示唆された。
68(1), 184-189 (2002)
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血漿タンパク質を添加したマアジすり身の加熱ゲルとシチュー時の物性変化

陳 輝煌(宜蘭技術学院)

 水分 80% と 2.5%NaCl を含むマアジすり身とこれに 1 または 2% の牛血漿タンパク質(PPC)を添加して加熱ゲルを作成した。PPC の添加はゲルの強度を著しく高めた。DSC 分析では PPC は筋原繊維タンパク質の吸熱ピークを低温側に移し,タンパク質の凝集を促進した。加熱ゲルを 2 cm 厚に切り,660 g のショ糖などを含む 1 L の醤油中で 95-100℃ で加熱したところ,徐々に脱水されたが,PPC 入りゲルの方が緩やかに固くなり,構造が維持されており,また,このシチュー液の浸透も遅かった。
68(1), 190-196 (2002)
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予備加熱と二次加熱にともなうスケトウダラ肉糊の性状変化に及ぼすグルコン酸ナトリウムの影響

岡山 孝,大泉 徹,竹下瑞恵,赤羽義章(福井県大生物資源),阿部洋一(阿部十良商店),北上誠一,和田大仁(全国すり身協会),白井 純(藤沢薬品)

 グルコン酸 Na(Na-G)を添加したスケトウダラ肉糊の予備加熱と二次加熱にともなう物性の変化をミオシン重鎖(HC)の多量化反応の進行との関連で検討した。Na-G の添加はゲル剛性の高い二段加熱ゲルを形成させた。このような加熱ゲルの品質変化は主に HC の多量化が進行しない二次加熱中に起こった。それゆえ,Na-G はゲル化における非共有結合の形成に影響を及ぼし,その結果,ゲル剛性の高いゲルが形成されることが強く示唆された。
68(1), 197-203 (2002)
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魚サラダのガス置換包装保存

Suhendan Metin, Nuray Erkan, Tacnur Baygar,Ozkan Ozden (Univ. Istanbul)

 ガス置換包装をおこなった魚サラダについて,空気含有包装をおこなった(コントロール)それとの賞味期間の違いを比較した。空気含有包装製品では 7 日間の保存で賞味できなくなったが,ガス置換包装製品(O2:CO2:N2=1:7:12 あるいは CO2:N2=3:7)では,いずれも 14 日間の保存でも品質が低下しなかった。ガス置換包装では微生物の活性を抑制することにより賞味期限を従来の製品よりも 50% 延長可能であることが明らかとなった。
68(1), 204-209 (2002)
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マサバの品質と賞味期限におよぼす乳酸カリウムの効果

Suhendan Metin, Nuray Erkan, Candan Varlik,Ozkan Ozden (Univ. Istanbul)

 乳酸カリウム処理したマサバを真空包装した製品の保存性を,感応的,化学的あるいは微生物学的に検討した。マサバを 2 % および 4 % の乳酸カリウムで処理したのち,真空包装して 4 ℃ で保存すると,9 日間の保存後でも良い品質を保持することが可能であった。乳酸カリウム濃度は 2 % でも 4 % でもその効果には大きな差異は認められなかった。
68(1), 210-214 (2002)
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スルメイカ筋肉の自己消化に対するソルビトールの影響

今野久仁彦,中島亜矢(北大院水),小関宏明,酒井 徹(東和化成)

 食塩濃度および温度を変え,スルメイカ筋肉の自己消化に対するソルビトール(Sor)添加の影響を調べた。25℃ において,Sor は NaCl 濃度 0.3 M 以上で自己消化を濃度依存的に抑制した。しかし,0.2 M NaCl 付近では Sor によりミオシンが溶解され,切断箇所が露出したため自己消化が促進された。35℃ では,Sor は自己消化酵素の熱失活を抑制し,かえって自己消化を促進させた。それゆえ,Sor の効果はミオシンの溶解,および自己消化酵素の変性抑制による促進と基本的な抑制が複合して決定されると結論した。
68(1), 215-221 (2002)
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ATP 関連化合物によるスルメイカ・ミオシンサブフラグメント-1(S-1)および筋原繊維の安定化

吉岡武也(道工技セ),今野久仁彦,関 伸夫(北大院水)

 ATP の類似化合物 adenylimidophosphate(AMPPNP),ADP,ピロリン酸(PPi)はスルメイカ S-1 を安定化した。この安定化効果は 1 MKCl 中の加熱ではほとんど消失した。一方,アクチンにより強く安定化を受けている筋原繊維(Mf)では AMPPNP や ADP の安定化は認められず,PPi は逆に変性促進したので,アクチンによる安定化を受けているミオシンはもはや ATP による安定化を受けないとことが分かった。また,AMPPNP による安定化とアクチンによる安定化を比較すると前者はかなり小さかった。
68(1), 222-226 (2002)
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コロニー交雑法を用いた Vibrio halioticoli の同定法の開発(短報)

田中礼士(北大院水),大坪雅史(道工業技術セ),澤辺智雄,田島研一(北大院水),Johan Vandenberghe(Gent Univ. Belgium),絵面良男(北大院水)

 Vibrio halioticoli はエゾアワビ成体の消化管内優占菌種であるが,本菌の環境中での分布は不明であり,環境分離菌株の中から,本菌を迅速に同定できる手法が必要とされた。そこで,コロニー交雑法を用いた本菌の特異検出法の検討を行った。超音波処理で断片化させた V. halioticoli の染色体 DNA に耐熱性アルカリホスファターゼを直接標識したものをプローブとし,Vibrio-Photobacterium 属 27 菌種を供試して最適な特異検出条件を検討した。その結果,反応温度 60℃,反応時間 4 時間において V. halioticoli のみに特異的な化学発光陽性シグナルを検出することができた。
68(1), 227-229 (2002)
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パプリカおよびイカミール(SM)配合ドライペレットを給餌したブリの産卵成績(短報)

Robert Vassallo-Agius,渡邉 武(東水大),今泉 均,山崎 哲男(日栽協)

 ブリの産卵および卵質に対する色素源としてのパプリカとタンパク質源としての SM の効果を調べるため,パプリカを 2% 添加した魚粉飼料(p-SDP)および p-SDP 中の魚粉の半量を SM で置換した飼料(ps-SDP)を産卵前 5 ヶ月間給餌し,アスタキサンチンを 30 ppm 添加した魚粉飼料(a-SDP)と比較した。その結果,総産卵量は a-SDP 区で高かったが,浮上卵率,受精率,ふ化率などの卵質は ps-SDP 区および p-SDP 区で優れていた。また ps-SDP 区と p-SDP 区では有意な差はなかったが,前者でやや優れる傾向がみられた。以上,ブリの産卵に対するパプリカの有効性は確認されたが,SM については配合量を含めてさらに検討する必要があろう。
68(1), 230-232 (2002)
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アサリならびにアコヤガイのペプシン消化物からの降圧ペプチドの同定(短報)

末綱邦男(水大校)

 アサリならびにアコヤガイのペプシン消化物を,透析後,Dowex 50 W (H), Sephadex G-25,および SP-Sephadex C-25 カラムクロマトグラフィーで分画してアンジオテンシン I 変換酵素(ACE)を阻害するペプチド画分を得た。各ペプチド画分を高血圧自然発症ラットに経口投与(200 mg/kg)したところ,有意な血圧降下作用が認められた。さらに,各ペプチド画分を逆相 HPLC で分画した結果,アサリ由来の ACE 阻害ペプチド Ile-Ala-Glu(IC50 値;34.7 μM), Ile-Val-Glu (95.6 μM), Phe-Glu (51.8 μM), Ala-Leu-Ala-Pro-Glu (167.5 μM) および Val-Glu-Val(8.7 μM)を,アコヤガイ由来の ACE 阻害ペプチド Ile-Ala-Glu, Ala-Glu-Leu (57.1 μM), Leu-Val-Glu (14.2 μM), Ile-Val-Glu および Ile-Glu-Leu-Pro-Leu-Gly(72.1 μM)が得られた。これら貝類の ACE 阻害ペプチドはグルタミン酸を含むことが特徴的であった。
68(1), 233-235 (2002)
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日本産淡水海綿 2 種の脂肪酸組成(短報)

佐田(潮)紀子,金庭正樹(中央水研),益田芳樹(川崎医大),安藤靖浩(北大水),飯田 遥(中央水研)

 2 種の日本産淡水海綿 Heterorotula multidentata および Spongilla alba の脂肪酸成分をガスクロマトグラフィーおよびマススペクトロメトリーによって分析したところ,海綿類に特異的な脂肪酸成分である demospongic acids のうちの 4 成分,5,9-24:2,5,9-25:2,5,9-26:2 および 5,9,19-26:3 を主要成分として検出した。これらの脂肪酸は全脂質脂肪酸中の 33~41% を占めていた。
68(1), 236-238 (2002)
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太平洋および南シナ海のエラブウミヘビ Laticauda semifasciata の脂肪袋から抽出した油の脂肪酸組成(短報)

白井展也,鈴木平光(食総研),清水禮子(富士製薬)

 エラブウミヘビ油の捕獲地点による脂肪酸組成の相違を明らかにするため,3 月から 6 月にかけて,沖縄,ベトナム,中国,フィリピンで捕獲したエラブウミヘビの脂肪袋から抽出した油の脂肪酸組成を検討した。エラブウミヘビ油の主要な脂肪酸は16:0, 16:1n-7, 18:0, 18:1n-9 および 22:6 n-3であった。脂肪酸組成においては捕獲地点による大きな差は認められず,エラブウミヘビ油の 22:6n-3 の割合は 10.7~13.4% であった。
68(1), 239-241 (2002)
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