公益社団法人への移行認定に向けた定款と細則の変更案について
(意見募集)


公益法人化対応委員会
委員長 東海 正

 平成20年12月に公益法人制度改革関連三法が施行されたことに伴い,本会も特例民法法人となり,新法施行後5年以内の平成25年11月30日までに,公益社団法人への移行の認定あるいは一般社団法人への移行の認可を受ける必要があります。
 これまで,理事会では数度の審議を経て公益法人をめざすことを決め,公益法人化対応委員会を設けて,対応を検討してまいりました。本会が公益社団法人となるには,内閣総理大臣に申請して,内閣府の公益認定等委員会による公益性の認定を受ける必要があります。この申請には,公益社団法人にふさわしい新たな定款と細則を付けることとなります。
 そこで,今回,来年度以降の公益法人化への移行認定を目指して,新たな公益法人としての定款および細則の案を作成しました。

公益社団法人日本水産学会定款(案)
公益社団法人日本水産学会定款案_新旧対照表形式_.pdf
公益社団法人日本水産学会細則(案)

 会員の皆様におかれましては,これらの案をご覧いただき,学会事務局宛にメールあるいはFAXなどで,ご意見をいただきたいと存じます。
社団法人 日本水産学会(事務局)
〒108-8477東京都港区港南4−5−7(東京海洋大学内)
「E-mail:fishsci@d1.dion.ne.jp(@dの次は数字の1です),Fax:03-3471-2054

新定款案における変更の要点について
公益目的事業を明示する必要がある。(第3条,第4条)
社団としての社員とその資格,および社員総会の権限や決議について明確化した。(第5条,第12条,第17条)
理事と理事会,特に代表理事と業務執行理事について,選出の条件,権限と責任を明確化した。(第20条,第21条,第22条)
新たな社団法人では評議員と評議員会をおく必要がなくなり,これに代わるものとして監事の権限と責任が重くなった。(第23条)
資産と会計,事業内容の開示や公告の方法の明示が求められている。(第34条,第35条,第45条)
新たに基金の募集ができるようにした。(第37条)
寄附に対する税の優遇措置を受けられるように,租税特別措置法と同法施行令で求められている事項を加えた。(第21条,第29条,第36条,第42条)
公益認定が取り消された際に公益目的取得財産を国又は地方公共団体等に贈与することを明示した。(第41条)

 この定款案は,主に内閣府公益認定等委員会から出された『移行認定のための「定款の変更の案」作成の案内』および『移行認定又は移行認可の申請に当たって定款の変更の案を作成するに際し特に留意すべき事項について』をもとに,さらに『新公益法人移行準備の最新手引き(全国公益法人協会刊行)』と『公益社団法人・公益財団法人モデル定款(三訂版)((財)公益法人協会 http://www.kohokyo.or.jp/)』を参考にしながら作成したものです。

新細則案における変更箇所の要点
本会における現在の制度や機関設計を維持しつつ,公益法人化に対応できるように,可能な限り軽微な変更に留めた。
新たな公益法人の社団では評議員会は置かなくなった。これに伴って支部においても,支部評議員と支部評議員会をそれぞれ支部幹事と支部幹事会として,従前の機能を維持する。また,これまでの支部長を補佐する役目にあった支部幹事を,支部庶務幹事と支部会計幹事などと呼ぶこととした。(第9条,第12条,第13条,第18条その他)
社団法人では,代表理事および業務執行理事以外に特別な権限をもつように見える役職をおいてはならないとされているために,それぞれ会長および副会長と常務理事をこれらに位置づけた。
公益社団法人の監事として,1名は経理的技術能力(会計士か税理士,あるいは5年以上の経理業務の経験)を有する者が必要であることから,監事1名を増員するとともにそうした候補者を選出できるようにした。(第16条,第18条)

今後のスケジュールについて
 すでに公益社団法人への移行申請は可能となっていますが,これに向けた本会の準備がまだ整っていない状況です。今後は,今回の意見募集を受けて修正を行い,3月の総会でこの定款と細則の変更案をいったんお認めいただく予定です。その後も申請までの間の公益認定などの状況の変化をみながら,この定款案,細則案をさらに必要に応じて検討,修正を重ねながら,本会の機関設計(経理的技術のある監事の選出)の整備を行い,本格的な申請に進める予定です。

    【新公益社団法人のメリット】
  • より高い社会的信頼を得ることができる。
  • 寄附金税制の優遇が受けられる。
  • 税法上の収益事業のみに課税され、公益事業は税務の優遇措置を受けられる。
  • 収益事業の利益を公益目的事業に充当することで、法人税率が実質的に軽減できる。
    【新公益社団法人のデメリット】
  • 公益認定等ガイドラインによる制約等
  • 目的・事業内容などの制限,公益目的事業比率を50%以上であること,遊休財産の保有制限。公益法人会計基準に従った経理処理や事業報告の提出など事務量の増大,等等。
  • 公益認定の取り消しを受けたときのリスク
    公益性が認められない場合は、一般社団法人に移行又は解散。一般社団法人移行に際しても,公益目的財産を費消する公益目的支出計画など行政庁による認可が必要。期間内に支出計画が認可されなければ、解散。

 学術団体としての公益目的事業とは,「学術及び科学技術の振興を目的とする事業」であるだけでなく,かつ「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するもの」である必要があります。

 このほか,公益法人については,公益法人行政総合情報サイトhttps://www.koeki-info.go.jp/pictis_portal/をご覧下さい。

 また,特例民法法人から公益社団・財団法人への移行認定 の認定基準やガイドラインなどについては,このサイトにあるパンフレット「民による公益の増進を目指して」や,行政庁の関係法令などの中にある『移行認定のための「定款の変更の案」作成の案内』や『公益認定等に関する運用について』,『公益法人会計基準』をご覧下さい。