平成22年度日本水産学会東北支部大会の開催について

東北支部長 佐藤 実

本年度の東北支部大会を下記の通り開催いたしますので、多数ご参加くださいますようご案内申し上げます。

日 時   平成22年11月5日(金)・6日(土)
場 所   東北大学農学部第10番講義室
(〒981-8555 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町1-1・雨宮キャンパス)

プログラム
(1)   ミニシンポジウム 「外来生物による水産業と生態系への影響」11月5日(金)13:00〜17:00
【企画責任者】: 酒井敬一(宮城水技セ)・大越和加(東北大院農)・有元 操(水研セ東北水研)
【趣旨】
 市場経済のグローバル化に伴い、物流も加速されている。移動される物資には生きた動植物も含まれ、本来の分布域を越えた移動先での繁殖に成功した種類も増えてきている。水産業においても、古くから積極的に国内外を問わず種苗を導入してきた経緯があり、それらが人間の管理下から離れて繁殖し、制御が困難となった事例や種苗に混入または寄生して侵入し、生物生産のみならず生態系にまで悪影響を及ぼした事例も後を絶たない。

 東北地方においては、近年、アサリを食害するサキグロタマツメタやマボヤの疾病を引き起こす寄生虫など、外来生物による産業的被害も起きている。さらに、内水面においてもオオクチバス等による漁業や在来生物への悪影響もよく知られている。

 これらの外来生物は、指数関数的な増大を辿ることが多く、気付いた時には手遅れだったり、その防除に膨大な費用を要したりする場合が多い。外来生物に関する法整備も進展してきたが、水産生物に関してはまだ不十分であり、今後も東北地方への新たな外来生物の侵入が懸念されている。その被害を未然に押さえるためには、その兆候や特性に関する情報をいち早く把握し、共有することが重要となる。

 そこで日本水産学会東北支部としても最新の情報を提供し、その対策を検討していくために今回のミニシンポジウム「外来生物による水産業と生態系への影響」を企画した。

【ミニシンポジウムプログラム】
13:00   開会
13:05   開会挨拶 佐藤 実(東北支部長)
13:10   趣旨説明 酒井敬一(宮城水技セ)
13:15   海産外来種の水産および生物多様性への影響と対策 大越健嗣(東邦大理)
13:35   サキグロタマツメタへの対策 田邉 徹(宮城水技セ)
13:55   外来種キタアメリカフジツボの侵入起源と北東北での定着理由
加戸隆介(北里大海洋)
14:15   マボヤの皮嚢軟化症について 熊谷 明(宮城水技セ)
14:35   休憩
14:50   日本から海外へ越境移動した大型海藻類について
村岡大祐・坂見知子・奥村 裕(水研セ東北水研)
15:10   宮城のカキと共にアメリカに渡ったウミニナたち
三浦 収(京大院地球環境)・
Kuris AM(UCSB)・Torchin ME (Smithsonian Tropical Research Institute)・
Hechinger RF(UCSB)・千葉 聡(東北大院生命科学)
15:30   分類学的に整理されていない「種」の侵入─DNA分析の重要性─ 池田 実(東北大フィールド研セ)
15:50   オオクチバスの食害による在来魚への影響と駆除による復元効果
藤原 健(宮城内水試)
16:10   ブルーギルなど外来魚の先進的駆除技術
藤本泰文(伊豆沼・内沼財団)
16:30   総合討論
17:00   閉会
(2)   一般研究発表(口頭)11月6日 9:00-17:00(予定)
(3)   その他
支部評議員・幹事合同会議     11月5日   17:00〜17:45
交歓会(農学部生協ホール)     11月5日   18:00〜19:30
申し込み方法
1)氏名、2)所属、3)連絡先(住所および電話番号)、4)e-mailアドレス、5)一般研究発表の有無、
6)演題、7)シンポジウム出欠、9)交歓会出欠、を下記の申込先(事務局)にお知らせ下さい(e-mail、FAX可)。
一般研究発表者は、申込時に下記の様式に従って作成した要旨を添付して下さい。
なお、支部所属の学生及び若手研究者による発表は、東北支部長賞選考の対象となります。
一般研究発表における発表方法
 一般研究発表は口頭発表で、一題15分(発表12分,質疑3分)を予定しています。
発表の際に使用できる機器は、液晶プロジェクタと Adobe Reader ですので、発表用スライドは PDF 形式でご用意ください。
要旨作成
 演題,氏名および所属機関を記載の上、【目的】【方法】【結果】の順で小見出しを付け,わかりやすく記述し、以下の要領で作成して下さい。
事務局でレイアウトを編集して要旨集を作成します。ファイルは,Text 形式または MS-Word 形式として下さい。
総字数は700字程度とする。
著者が連名の場合は「・」で連ね、講演者の左側に○を付ける。
一般講演の要旨は文字のみとし、図表は使わない。
申込・要旨提出締切日   平成22年10月15日(金)
参加費等   参加費 無料、交歓会費 3,000円程度
申込先(事務局)  〒981-3121 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町 1-1
東北大学大学院農学研究科内
日本水産学会東北支部事務局総務担当 高橋計介・伊藤直樹
TEL (022) 717-8725  FAX (022) 717-8727 E-mail: nitoh@bios.tohoku.ac.jp