主 旨 |
シジミ類は重要な有用二枚貝で,汽水性のヤマトシジミ,淡水性のセタシジミやマシジミ等が含まれる。全国の漁獲量はかつては5万トンを越えた時期もあったが,近年大きく減少し漁獲量は1万トン前後となっている。近畿圏における漁獲量は多くないが,大阪府の淀川汽水域でヤマトシジミが,滋賀県の琵琶湖水系でセタシジミがそれぞれ100トン程度漁獲されている。この内,淀川のヤマトシジミは大都市の中で漁業が営まれているが,今までその生態や漁業についてほとんど調べられていなかった。また,セタシジミは漁獲量がピーク時の100分の1となり,資源回復が図られている。本シンポジウムでは,他府県での事例も加え,シジミ類の生態についての新知見を紹介し,シジミ漁業の現状と問題点を把握するとともに,資源増大方策や漁業者と市民の共同利用等について検討する。 |