学会の概要


目的

 公益社団法人 日本水産学会は、水産学に関する学理及びその応用の研究についての発表及び連絡、知識の交換、情報の提供等の事業を行い、水産学に関する研究の進歩普及を図り、もって学術の発展と科学技術の振興に寄与するとともに、人類福祉の向上に寄与することを目的としています。

沿革

 日本水産学会は昭和7年2月27日に設立され、その後、昭和45年4月1日には社団法人として認可され、さらに、平成23年3月1日には公益社団法人として認定されました。現在、会員(正会員、名誉会員,団体会員、賛助会員、外国会員及び学生会員)の総数は4,000名を超え、国内はもとより、諸外国から水産系の最も充実した学会として認められています。

学会の行う公益目的事業

 本学会が行う公益目的事業は大きく2つに分けられます。

【公益目的事業1】

 研究発表会及び学術講演会・シンポジウムの開催ならびに研究業績の表彰による水産学の学術の発展と科学技術の振興を推進するため、以下の事業を行っています。

1)研究発表会及び学術講演会等の開催による水産学研究の推進事業

 年2回(春季・秋季)開催される大会では研究発表、シンポジウム、会員交歓会等が行われます。水産学関連の学会の中でも最も規模が大きく、この分野の中核をなす集会です。周辺分野を含めた水産関連の最新の情報を得ることができます。また毎回、講演要旨集が発行されています。この他、各支部・常設委員会等が定期的に研究発表会や講演会を開催しています。

2)関連学会等との連携及び協力ならびに社会連携の推進事業

 本学会と関連のある学協会との連携や他学協会が開催する事業への協力を行っています。特に、2008年10月には横浜で第5回世界水産学会議を、世界水産学協議会の共催を得て、日本学術会議とともに主催したほか、日米、日米英や日中韓での共同シンポジウム開催など、国際的な連携、協力に努めています。

 また、「海とさかな」自由研究・作品コンクールへの協力や春季大会での高校生による研究発表会の開催など、小中高生の教育にも積極的に取り組んでいます。

 日本水産学会の広範な活動は、高度化、多様化する水産に関する科学と技術の進展に大きく寄与し、特に最近では農学諸分野はもとより、理学、工学、医学、薬学、社会科学等の広い分野を含む学際的な研究活動も活発になってきています。これらの研究成果は、関連諸分野の発展に大きく貢献し、国内外から高く評価されています。

社会への貢献

3)研究業績の表彰による学術の発展と科学技術の振興事業

 本学会では、規程に基づき、以下の賞を授与しています。

日本水産学会賞
学術研究上特別に優れた業績を上げ、水産学の発展に寄与した者に授与

日本水産学会功績賞
長年にわたり水産学の発展ならびに体系化に貢献した者に授与

水産学進歩賞
優れた業績を上げ、水産学の発展に寄与した40歳以上の者に授与

水産学奨励賞
研究に精進し、将来の発展が期待される40歳未満の者に授与

水産学技術賞
技術上著しい業績を上げ、水産学ならびに水産業の発展に貢献した者に授与

日本水産学会論文賞
学会誌に掲載された原著論文の中から特に優れた論文に授与

 また、各支部・委員会においても、それぞれ規定に基づき各種表彰を行っています。特に、大学院生や若手研究者の優れた研究に対して表彰を行い、人材の育成を通じてより一層の学術の発展と科学技術の振興を図っています。

【公益目的事業2】
 水産学に関する学会誌及び学術図書の発行、及びインターネットによる情報提供を通じて、水産学研究の科学技術成果の普及を行うため、以下の事業を行っています。

1)学会誌及び学術図書の刊行による水産学研究の普及事業

 本学会は、英文誌「FISHERIES SCIENCE」と和文誌「日本水産学会誌」を年6回ずつ発行しています。この他、技術情報誌である「水産技術」の監修、シンポジウムの内容をとりまとめた水産学シリーズなどの学術図書の刊行や第一線の研究者の執筆によるベルソーブックスなど高校生や社会人を対象とした一般図書の刊行も行っています。また、今後は我が国の水産学研究の国際的な情報発信を行うため英文書籍の刊行にも積極的に取り組んでいきます。

支部の活動

各地域の水産業との連携を強めるため、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州の7つの支部を設け、それぞれ研究発表会、講演会、見学会等の地域に根ざした催しを開催しています。

産業界との連携

 産業界と学会を有機的に結びつけることを目的に、水産環境保全、漁業、水産利用、水産増殖、の4分野について懇話会等を開催し、産業界との連携を図っています。

産業界との連携

 この他、水産政策委員会を中心に、海洋基本計画など国の施策への対応や東日本大震災の被災地における復興支援活動や水産業復興への提言など水産業界をめぐる重要な諸問題について、積極的な情報発信と提言を行っています。