平成18年度日本農学会シンポジウム
「動物・微生物における遺伝子工学研究の現状と展望」

■日  時: 平成18年10月14日(土)10時より
■会  場: 東京大学弥生講堂(300人収容)
■主な対象: 大学院生、若手研究者(一般公開)
■内  容:  組換えDNA技術やクローン技術などを中心とした遺伝子工学は、人類の食糧確保、健康増進や地球環境の改善などに幅広く役立つ画期的なテクノロジーを開拓している一方で、社会の理解が十分に得られていない分野でもある。農学研究者の間でも、遺伝子工学研究の多岐にわたる成果に関して最新の情報を共有することは容易でない。
 本シンポジウムでは、微生物・動物・昆虫の遺伝子工学の専門家が、それぞれ遺伝子組換え技術やクローン技術などが新しい生物を生産することを可能にした実例とその背景の理論を紹介するとともに、それら技術の将来展望を語る。また、遺伝子工学技術を使って作られる微生物や動物の安全性や社会的な諸問題についても議論する。これら討論を通じて農学や関連領域に携わる研究者・学生等に遺伝子工学の可能性と課題を伝え、議論や研究を進展されるための機会とすることを目的にしている。
■講演題目:
 1.微生物における遺伝子工学研究
  コンビナトリアル生合成によるフラボノイドの発酵生産(東京大学 堀之内末治先生)

 難分解性物質の微生物分解と組換え微生物の環境浄化への利用(長岡技術科学大学 福田雅夫先生)

 微生物における遺伝子組換え研究の意義と直面する問題(国立医薬品食品衛生研究所 五十君静信先生)

 2. 動物における遺伝子工学研究
  カイコの形質転換系の開発と利用(農業生物資源研究所 田村俊樹先生)

 デザイナー・ピッグの基礎医学研究への応用(明治大学 長嶋比呂志先生)

 エピジェネティクス、新たな動物遺伝子工学のパラダイム(東京大学 塩田邦郎先生)

  単離生殖細胞からの魚類個体の作出:
   細胞を介した遺伝子導入技法の樹立をめざして(東京海洋大学 吉崎悟朗先生)
 3. 遺伝子工学研究の社会への貢献
  遺伝子工学と社会─生命倫理から科学コミュニケーションまで─(京都大学 加藤和人先生)