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次の歌は「恋するスベスベマンジュウガニ」。いったいどんなカニなんだ!?

 スベスベマンジュウガニって、なに?本当にそんな名前のカニがいるわけ?

 この歌を聞いた子ども達から、たくさんの質問がよせられておる。
 みんなの質問に順番に答えていくことにししょう。

本当にこんな名前のカニがいるんですか?

いるんじゃなぁ、これが。これが、そのスベスベマンジュウガニじゃ!
小さい時は甲羅は紫色だが、大きくなると茶褐色に変わり、
白い複雑な模様がでてくるんじゃよ。

大きさはどのくらいですか?

こうらの長さが3.5cm、はばが5cmくらいの、小さなカニじゃ!

えさはどんなものを食べているの?

海藻、貝類、ゴカイなどを食べているんだよ。

どんなところに暮らしているの?

日本では千葉県から沖縄県にかけての太平洋岸。
岩の多い海岸の、石の下や岩の割れ目に潜んでいる。

おいしそうな名前ですが、食べるとおいしいカニですか?

おいしそうな名前なんじゃが、このカニには毒がある。
「サキシトキシン」という神経毒を、外骨格や筋肉、内臓にもっておる。
住んでいる場所によって毒の強さちがうんじゃが、
最悪の場合は1匹で大人2人死んでしまう。

 おもしろい名前だから、すぐおぼえちゃうね。
 どうしてこんな名前になったのかなぁ。

 なんとなくこうらが丸くて、つるっとしてる感じ。だからじゃないの?

 この歌には、他にもたくさんのふしぎな名前の生きものが出てくる。紹介しよう!

ハクションクラゲ
おそらくはアカクラゲの別名、日本各地でみられる傘に赤い放射状の縞をもつ
クラゲの仲間。昔、忍者がアカクラゲを乾燥させて粉にしたものを眼つぶしに
使ったなどといわれて、粉を吸い込むとくしゃみがでることからこの名前がある。

モクズショイ
関東より南の浅い海にすむカニの仲間、甲羅、長い脚には毛が生えており、
それに海藻の破片「藻屑(もくず)」などをからめてカモフラージュしている。

タコノマクラ
浅い海の砂地にすむウニの仲間、殻は円盤状で短い棘に覆われ、上側に
花状の模様がある。形が何となく枕型をしているためこの名前がつけられた
と思われるが、べつにタコが枕に使うわけではない。(もしかすると、
蛸壺などで、タコの食べかすとして一緒に殻が獲れたりするためかもしれない)
テズルモズル
やや深い海にすむクモヒトデの仲間、
5本ある腕が先で根っこ状に細かくに枝分かれし、
その先端が「蔓(つる)状」に丸まっているところからこの名前が付いた
と思われる。プランクトンを食べている。
バフンウニ
東北から九州の浅い海にすむ直径5cmほどで細かいとげが生えたウニの仲間。
北海道には近い種類でエゾバフンウニがおり、食用に利用されている。
海藻くずを体にまとう習性があり、その姿から「馬糞(ばふん)」と
名付けられたものと考えられる。
トラフカラッパ
関東より南の浅い海にすむカニの仲間。はさみに「缶切り」があり、
巻き貝の貝殻などをばきばき割って食べるところから
「殻破(からっぱ)」のなまえがある。
トラフは甲羅にあるまだら模様を虎(とら)のしま模様にたとえたもの。
スカシカシパン
浅い砂地にすむウニの仲間。平たい円盤状の殻はカステラに似た
「菓子パン」に似ていること、その上には5つの穴が開いていることから
「透かし」の名前が付いている。穴は砂に潜るときに殻の下の砂を
かき出すための吐き出し口になっている。
イトマキモドキ
紀伊半島より南の熱帯のサンゴ礁などの海にすむヒトデの仲間。
正式には「オオフトトゲヒトデ」。腕のさしわたしが40cmにもなる
大型の種類で夜間に活発に活動し、1分間に1.5mほどの速度で這い回るという。
日本沿岸の浅い海にすむイトマキヒトデとはあまりにていない。
カッポレ
暖かい海にすむ、アジの仲間。島のまわりのサンゴ礁の、やや深いところで見られる。大型の魚で、70cmにもなる。釣りをする人には良く知られていて、食べてもおいしい魚。
キモガニ
キモガニは紀伊半島より南の暖かい海にすむ甲羅の幅が1.5cmほどの小型のカニ。サンゴの枝の間にすんでいる。名前の由来はこのカニのグループの学名「Cymo」を読んだもの。その語源はギリシャ語で「波」「芽生え」を意味するもので、体全体に生える長い毛という特徴から名付けられたものと思われる。
別に気持ち悪いわけではなく、小さいながら精悍なカニ。
ウシノアシ
ウノアシ、あるいはウシノツメ(マツバガイの別名)の誤りか?
いずれも本州から九州の潮間帯岩礁にすむ笠型をした巻き貝の仲間。
岩の上に、自分のすみかを貝殻の形に合わせて浅く掘り、潮の満ちているときには
餌を探しに這い回り、潮が引くと家に帰ってじっとしているという習性がある。

名前は、新しい生物が発見されたときにつけられる。
正確には、その新しい生物についてくわしく調べて、こういうわけでこ
れは新しい種類のいきものです、と論文で発表した人が名付け親になるのじゃ。
じつは、生き物には2つ名前がある。学名と和名が、それじゃ!
学名は、世界中の学者にわかるようにラテン語でつけられて、
名前のつけ方にもルールがある。
和名は、日本国内でわかりやすく、おぼえやすいように考えてつけられるんだよ。