沿岸に立地する発電所の建設や運転に際しては、温排水の拡散予測やクラゲ等汚損生物対策など、海洋生物・環境に関連した様々な課題に対処してきました。一方、最近、COP10(名古屋)における海洋保護水面の目標設定など、海域の生態系・生物多様性保全に関する取り組みが活発化しています。
この様な状況に鑑み、当研究所では、電気事業における海域生物関連リスクの回避・低減に貢献するために、汚損生物対策に加えて、海域の生態系サービスを支える生物多様性・生態系機能への影響予測・評価技術の検討を進める予定です。2012年度からは、沿岸域の生物生産機能と生息場機能への影響予測評価技術に関わる研究を行います。
その実施に際しては、沿岸生物・生態学(動物)に関する基礎的な知識に加え、船上・潜水調査などのスキル・経験が必要です。また、環境‐生物間および生物相互間の関係をモデリングして動的な解析を行うスキルも必要となります。
生物系のみならず海洋物理学など異分野の研究者と協働するとともに、電力会社とも積極的に交流し、広い視点で課題を解決していく意欲と能力のある方を希望します。 |