企画の趣旨 | 板鰓類は900種以上のサメ・エイ類から構成される分類群で,海洋生態系の重要な構成員として,生態系保全の見地から近年保護の必要性が指摘されているほか,資源の持続的利用という側面からも,板鰓類資源に対する管理の重要性が指摘されている。一方,我が国では,古くから周辺海域に分布する様々な板鰓類を伝統的な食材として利用しており,近年では年間およそ3万トン近い板鰓類が漁獲もしくは輸入されている。しかしながら,板鰓類の多くは生態学的知見が乏しく,漁獲統計データも整備されていないことから,その資源状態は明らかとなっておらず,資源管理の具体的な取り組みもなされていない。そこで,本シンポジウムでは,生態系保全と資源の持続的利用という双方の立場から,板鰓類資源の保全と管理の現状を整理し,今後の方向性を考えることを目的とする。 |